たそがれ清兵衛 (2002)
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欠点は大きいが、おぎなう物も大きい
2004/03/16
by
タコ屋
一本の映画として見れば、欠点だらけ、矛盾だらけの作品です。
説明が過剰であることの、鬱陶しさ、退屈さ。
キャラクターの浅さ。ストーリーの退屈さ。お決まりの理想への反発、などなど…
ただ、それを補って余りある、とても善いものもあります。
それは一重に、清兵衛という人間の描写です。
彼の表すもの。誠実、清貧、愛、生き様、などがツボに入った方は、この映画の虜になることでしょう。
ですから問題は、そこを楽しみきることが、できるか、できないか、だと思います。
それによって、見る人の満足度には、大きな差が出るのではないでしょうか。
映画としての完成度には疑問があるので、点数は辛口です。
ただ、これはもともと、絶賛するような映画でも無いと思ってます。
示されるものに通じ合えた人だけが、ひっそりと、心の片隅に残しておくような映画ですね。
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Re: 欠点は大きいが、おぎなう物も大きい
2004/03/16 by
ヘムヘム
欠点としてキャラクターの浅さを挙げておられますが、それなら人間の描写がとてもいい・・ということと矛盾してませんか?
人間の描写がよいということは、キャラクターが生き生きしてるということでしょう?
矛盾だらけの作品・・・とおっしゃる意味ももうすこし具体的に説明していただけたら、納得するんですけど・・・ -
>ヘムヘムさん
2004/03/17 by
タコ屋
キャラクターという言葉の意味は、物語においての、「その人物の性格そのものが、あらわす役割」という意味です。
で、この話のキャラクターを述べてみますと、以下のようになる。
貧乏な侍。美しい幼馴染。傲慢な家老。いかにも狂った男。ボケたおばあさん。
意外性のあるキャラクターは存在しません。みな、典型的というか、単純というか、安易です。
だから、キャラクターが浅いのです。
人間という言葉の意味は、まあ、人間ですw
清兵衛という人間は素晴らしいですね。この良さは、書かなくてもおわかりだと思います。
だから、清兵衛という人間の描写が良い、と書いたのです。
だから矛盾は、上のふたつに掛かってきます。
清兵衛は貧しい男です。臭くて、身なりもわるく、家はボロボロで、しかし立派な男です。
朋絵は理想的な女性です。美しく金持ちで、身分が高く頭が良く、優しくて思いやりがある。
貧しさでもって、清兵衛にあれだけのリアリズムを持たせながら、なぜ朋絵だけが、男にとっての理想の女なのでしょう。
同じくなぜあの家老だけが、時代劇の悪代官みたいな、いかにもなキャラなのでしょう。
萱野お嬢ちゃん。せっかく裁縫を習ってるのに、なんでお父さんの足袋の穴、縫ってあげないのですか!w
…と、こんな感じです。 -
タコ屋さんへ・・・
2004/03/18 by
ヘムヘム
タコ屋さん、ありがとうございました。
なかなか読みが深いなあ・・という感覚で読ませてもらいましたよ。
でも、逆に考えれば意外性のないキャラが脇をかためてるからこそ、清兵衛の人間臭さがいい味だしてるんじゃないでしょうか・・・
それと、(通じ合えた人だけが、ひっそりと、心の片隅に残しておくような映画)という表現はまさに、言いえて妙ですね。 -
>ヘムへムさん
2004/03/18 by
タコ屋
欠点が、キャラが単純だぞ、という事だけなら、私もむしろ、そこを評価したと思うんですよ。
しかしこの映画は、様々な欠点が集まって、欠点の相乗効果を生んでいるような気がします。
内容に触れてしまうので書けませんが、色々と、アラが目立つ作品でした。
しかしこれだけキツいことを思いつつ、駄作だなんて、とても言えない映画なのです。
万人に薦めることはできないけど、「この人はわかってくれそうだ」と思う人にだけ、薦めたい。
わたくしの心のどこかには、確実に残っているようですw -
Re: 欠点は大きいが、おぎなう物も大きい
2004/03/19 by
成層圏
>萱野お嬢ちゃん。せっかく裁縫を習ってるのに、なんでお父さんの足袋の穴、縫ってあげないのですか!w
ごもっともです。ところで、
>通じ合えた人だけが、ひっそりと、心の片隅に残しておくような映画
にしては、沢山の人が見たのは何故でしょう?
臭くて、身なりもわるく、家はボロボロで、しかし立派な男ですという清兵衛も、一つの理想の男だと思いませんか?
ところで、文末の(縫ってあげないのですか!w)←wの意味を教えてください。あちこちで見るのですが、分かりません、教えてください。よろしく! -
>成層圏さん
2004/03/20 by
タコ屋
wは、(笑)の略ですね。waraiと打つのが省略された形です。
>にしては、沢山の人が見たのは何故でしょう?
観客動員数、多かったんですか? DVDなもんで、知らないんです。
もしそうなんだったら、
・山田監督による時代劇への期待
・前宣伝が良かった。
・口コミ
・アカデミーノミネートによる、再上映
かな。
清兵衛はひとつの理想です。それは了解しております。私は彼が好きです。
ただ理想だけに、受け入れられない人もいるわけですね。
そういう人は、清兵衛の悪口を言うでしょう。それは仕方の無いことだと思います。 -
Re: 欠点は大きいが、おぎなう物も大きい
2004/03/21 by
Yo-go
ちょっと一言。
私はこの映画結構好きですが、清兵衛の生き方を決して
理想とは思えないんですよね。
詳細はネタばれになるのでここではあまり書けませんが、
とりあえず「清兵衛の生き方に感じた矛盾を、最後に戦う侍(余吾)の人物像が帳消しにしてくれたから」とだけ
言っておきます。
それにしても、この映画を評価するかどうかの議論が
「清兵衛の生き方に対する賛否」でばかり語られがちなので、ちょっと不満なんですよね。こんな人間もいることをお忘れなく・・・ -
>Yo-goさん
2004/03/22 by
タコ屋
余吾は面白いキャラですね。私は彼も好きです。
しかし他人にこの映画を、口コミで勧めるとき、
「余呉がいいよ! 見てみなよ」
これは、ちょっと違うような。
あくまでもこの映画は、たそがれ清兵衛ですから。
人にガンダムを勧めるときに、いきなりマクベを勧めたりはせんでしょう。 -
Re: 欠点は大きいが、おぎなう物も大きい
2004/03/23 by
Yo-go
タコ屋様
>しかし他人にこの映画を、口コミで勧めるとき、
>「余呉がいいよ! 見てみなよ」
>これは、ちょっと違うような。
>あくまでもこの映画は、たそがれ清兵衛ですから。
あらそうなんですか。私はそう言って周囲に勧めまくっているのですが(笑)
まあ正確に言えば「余吾との最後のやりとり」ですかね。あのシーンで初めて、清兵衛の「男としての哀しさ」が感じられて好きなんですよね。実は宮沢りえその他家族の話は私にはどうでもよくて(笑)、余吾が突然態度を豹変させるあのくだり、あれが私にとってこの作品の全てと言っても過言ではない。でもこんな見方、やっぱり少数派なんでしょうねえ(哀)・・・ -
>Yo-goさん
2004/03/23 by
タコ屋
余呉は起承転結の転部を、ひとりで背負ってるキャラですからねえ。
びっくり箱の中身を、開ける前に説明するのは、野暮じゃないですか。
いや、親しいご友人を、前もって洗脳するのはアリでしょう。私もよくやりますw
しかし不特定多数に勧めるなら…
「この話を見る人は、清兵衛の敵役に注目されると、面白いかと思います」
このくらいが限度ではないかと。
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