紀元前1万年 (2008)
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オライアン……?
2008/05/05
by
ika
MOVIX三好5番シアターにて。
連休中にもかかわらず、お客の入りは今一つ。
この劇場で一番大きなスクリーンは「コナン」に、次に大きなスクリーンは「相棒劇場版」に奪われ、この作品は、124席の小スクリーンにまわされていました。
見た感じは、98%くらいが娯楽作品です。
のこり2%で、考えさせられたこと……。
この作品の監督の、ローランド・エメリッヒという方は、なにか「人類が外部のものに支配される」という観念が、異常にお好きなように見受けられます。
紀元前1万年といえば、ちょうど、ミュー大陸やアトランティス大陸が「沈んだ」という「伝説」のある頃……
むろん ミュー大陸やアトランティス大陸自体を「トンデモ」といいだせば、そこでお話はおしまいですが……。
映画の中にも、なにかそのあたりのことを匂わせるような表現があったように思います。
作品の舞台設定としては……
これまた「想像」をめぐらすならば、ナイル川の流域か……
主人公たちの住まいのあるところは、白ナイルの上流の今のエチオピア、あるいは青ナイルの上流の今のケニアとかウガンダあたりになるのでしょうか。
雪を頂く高山や高原を降ればスーダン南部の沼沢地域に入り、さらに北上すればスーダン北部のステップ地帯となり、やがてナイル下流の砂漠(エジプト)に至る……というルート設定は、現代のナイル流域の地域特性には大体合ってくるように思われます。
ただし、紀元前1万年頃のナイル川流域の気候風土がこのとおりのものであったかどうかはわかりません。
歴史的にピラミッドの建設が始まったとされるエジプト第3王朝(紀元前2600年代)の頃には、ナイル下流は既に砂漠化していたのでしょうが、紀元前1万年の話となると、もう少し緑ゆたかな地であったのでは……とも思うのですが。
もし設定が、ナイル流域であるとするならば、エジプトのピラミッド群が次々と建設されたのは古王国の時代(紀元前2600年代)なので、時代設定としてはかなりずれていることになります……
そこはまあ、娯楽作品……ということなのでしょうけれど、もう一つの可能性としては、すでに紀元前1万年のこの頃に、「なにものか」によって、ピラミッド群の建設が進められていた……その頃のピラミッドは、歴史の流れの中に消え去り……そして、それから7000年以上たったエジプト古王国の頃に、「遠い記憶」をもとに、再び ピラミッド群の建設が始まった……という設定。
ネタばれになるといけないので、詳しくは書きませんが、物語の中で、夜空に輝くオリオンが、「ある象徴」として出てまいります(一瞬のことですが)。
トンデモネタに近い話としては、現在残されているギザの3大ピラミッド(クフ、カフラ、メンカウラのピラミッド)の配置が、オリオンの三つ星を象徴したものである……とは、よく言われている話。
さて、この物語の中に暗示的に示されている「外からやって来て支配するもの」は、オリオン星座となんらかの関係があったのでしょうか……(神官たちが、異常に怯えていましたね)。
完全な娯楽作品として見てしまえば何の問題もない本作ですが、小さな棘のようなひっかかりを残していくあたり、この監督さん、ほんとは一体なにを知ってるんでしょう……と考えてしまう私……が、ばかなのでしょうか……。
<補足1>
主人公たちが、連れ去られた仲間を追って砂漠を往くシーンで、「不動の星」を目印にしますが、これは北極星(ポラリス)のことになると思います。ただし、北極星の位置は、数千年の単位で変化するので、現在の北極星(こぐま座α星)ではない。古王国のピラミッド時代は、りゅう座のα星トゥバンであったといわれます(クフ王のピラミッドの入口通路は、当時において正確にこの星が見えるように造られているそうです)。さて、紀元前1万年頃にはどの星が北極星だったのか……。
<補足2>
手塚治虫の「ジャングル大帝」の設定を思い出しました。あのマンガの骨格になっていたのは、アフリカ大地溝帯を造りだした、大地を割る力を秘めた石、ムーンライト・ストーン(月光石)でしたが……やはり、アフリカのあのあたりには、なにかとても「気になる」ものがあるようです……。
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