愛おしき隣人 (2007) »レビュー

春だから

50点 2008/05/01 by アキラ

愛おしき隣人

遅く起きた日曜の朝はふらっとガーデンプレイスへ出かけて春の陽光に包まれたテラスで軽くブランチしたら、そのままユルユル映画をぼーっと眺めてみよう。元々能天気な私が『アバンチポポロ』だの『キンザザ』だのイオセリアーニだのムサコフだのこのロイアンダーソンみたいなユルユル系にハマってしまうと本当に若ボケしたカワイソーな人に思われそう。だから私の好みは絶望を叩き付けるタイプの作品に偏ってしまうのかも。空っぽの頭に心地良い作品は濃過ぎるほどの味付けで具がはみ出るほどに密に詰まった内容。ないものネダリ。それでもたまの休日には春の空気の優しさが私をユルユルワールドへと誘う。ああ抗えない。

過去の作品を見ても分かる通り彼の作品にストーリー展開はほとんどなく、さり気なくビミョーな空気感で笑わせるネタが続く群像劇。泣いてばかりの肥満夫婦、ロック歌手に恋する少女、儲けた矢先に財布を盗まれる男、盗んだ金で服を新調する男、機嫌が悪い床屋に坊主にされた男、テーブルクロス引きに失敗しただけで死刑を求刑される男。花束を差し出す男の顔を見た途端、問答無用で閉め出した上に番犬までけしかける。ちょいとばかりシニカルを通り越して理不尽ですらあります。あまりのバカバカしさに思い出しただけで口元が緩んでしまうネタの数々。ただ理不尽さにおいても笑いにおいても『散歩する惑星』に比べると印象に残るほどバカバカしくなかったのは残念。まるで榎本俊介(今平学校の先輩)初期のマンガ”反逆ののろし”みたいな世界。

 

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