ぐるりのこと。 (2008)
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コミュニケーションについての映画
2008/07/03
by
vivie
春先ぐらいから、どのミニシアターへ行っても本作の予告編が流れ、結局10回近く見かけたような気がします。橋口亮輔の6年ぶりの新作、なるべく白紙状態で観たかったので、見ないようにしていたのですが、音声だけはいやでも聞こえてくる。で、加瀬亮のセリフが耳にこびりついてしまいました。
しかし、加瀬クンひとりにとどまらず、次々と出てくる法廷シーンが意外で、たいへん興味深く拝見しました。ある夫婦の10年の歩みを描きながら、その間の社会状況を裁判シーンで見せるという脚本が秀逸、演出も端正で心地よい緊張感が持続し、2時間20分という長尺も全く気になりませんでした。
キャストの演技も秀逸でしたが、実は主役のおふたりはあまり好きじゃなくて、最初のうちは共感もなしに観ていたのですが、夫の包容力や微笑を取り戻した妻の姿などが心に染みて、エンドロールを眺めながら静かな感動を覚えていました。法廷画と日本画の対比にテーマが集約されているような気もします。
脇役陣も好演だったと思いますが、私は特に安藤玉恵を買います。登場シーンからしてすごい存在感で、「何や、この女は」と反感を覚えたんですけど、お金がなくなっても態度はデッカイままで、姑とやりあうところでは笑けてきました。このあたりは人間喜劇と呼びたいような趣き、とても面白かったです。
夫婦それぞれの職場シーンもリアリティたっぷりで、「こんな人いる、いる」、「こんなことある、ある」と心の中で頷いてしまいましたが、キャラ的に一番好きだったのは柄本明。再登場シーンでは思わず、「おかえり」と声をかけそうになったりして(笑)。
夫婦、家族、職場、それぞれの人間関係、ディスコミュニケーションも含めて、コミュニケーションについての映画という側面もありそうです。
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