クライマーズ・ハイ (2008)
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衝撃
2008/07/06
by
ねぎ
私は大手新聞社の記者で、日航機墜落事故の現場で取材経験があります。1985年8月12日は、私の生涯で忘れられない日のひとつです。現場や上野村役場に立ち、「父や母が経験した戦争は、きっとこんな感じなのだろう」と呆然と遺体の収容作業などを見ていました。遺族の取材もつらいものがありました。
あれ以降、関連の本やドラマが多く世に出ましたが、すべて読むことも見ることもできませんでした。「沈まぬ太陽」が話題になった時も手にする気が起きませんでした。それだけ、事故の凄惨な現場が心の重荷になっていたと理解しています。
しかし、「クライマーズ・ハイ」は、現在の若手記者のバイブルになっているような側面があり、若手と接する意味でも、心を鬼にして、小説を読みました。いろいろなことを思いだし、涙が止まりませんでした。
そして、後輩記者に誘われるように映画も見ました。上野村役場、藤岡市民体育館、上野村などありとあらゆることを思い出しました。私にとっては、あの事故で受けた心の衝撃を、作品を読み、映画を見ることでいくばくか乗り越えられたように思えました。
映画は、あの事故と新聞記者達の生態をよく描いていると思います。たった2時間で、濃密な一週間をよく描いたと感じました。「あの時はポケットベルだったな」とか「当社は無線は持っていたけど、険しい山で電波が通じず役に立たなかったな」など細かなことが脳裏によみがえりました。
惜しむらくは、原作を読んでいたり、私のように年齢のいった新聞関係者でないと、意味不明な点があるように見受けられました。「大久保連赤」「現本」といってすぐに理解できる人はあまりいないと思います。でも、力作であることは変わりません。もう一度観たいなと考えています。
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