山のあなた 徳市の恋 (2008)
»レビュー
素材の良さ
2008/06/06
by
chocolatcorne
石井監督がこういうちょっと昔の和を描くと、本当に素敵なものに仕上がるんですね。
久々に役者、映像、音声、すべての要素の「素材のよさ」をこころゆくまで味わえる「いい映画」でした。
ちょっとした面白さも、小物や部屋の内装も、ほんとうにリアルで、昔の「艶」がありました。
草薙さんもマイコさんも、そのほか脇役の方々も、昔の映画の世界からそのままやってきたような、誠実な演技でとても好感が持てました。
あれだけメディアイメージが固定している人なのに、草薙さんはやっぱりすごい役者でしたね。
マイコさんの今後にも期待します。
着物の所作から声質まで、非常に忠実にこの世界に溶け込んでいました。
美しい体のラインがいやみなく現れる、縞や絣の着物にも注目です。
幸田文の「きもの」という小説に「太くまっすぐな縞の着物は体の線が出すぎて、電車で痴漢によくあう」という描写が出てきます。しかし、彼女の着る着物は、縞に柔らかな揺らぎのある縞や、断続的なパターンで、程よく「色気」の出る気遣いがありました。
ただし…堤さんの演技が残念ながら今ひとつ。
悪くはないけど、今風でくっきりと巧すぎるんです。
その分が-10かなあ…。
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