光州5・18 (2007)
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繰り返される殺戮の歴史
2008/06/17
by
のびた
冒頭、かなりのんびりした雰囲気で、ベタな恋愛指南と、お笑いが展開していく。今時、こんな内容の映画でいいのかと、少しガッカリしていたのだが、物語が進展していくにつれ、段々笑えない現実が、登場人物たちに襲いかかってくる。
光州事件である。
この事件は当初、マスメディアの情報操作によって、正しく報道されず、海外メディアによって、事件は初めて公にされた。
僕は、映画の中に繰り広げられる、この軍の弾圧を、茫然と見ていた。そのデモの学生も、そこにたまたま居合わせただけの一般市民も、無差別に棒で容赦なく殴り続ける。同じ韓国人でありながら、それも上からの命令であっても、どうして、あそこまで残虐になれるのか。人間の恐ろしさをまざまざと見せつけられ思いだ。
これが軍のすることなのか。
バカな人間に、権力と武器を持たせると、どうしても使いたくなるらしい。
軍の無謀な攻撃に、耐えかねた市民が、やがて立ち上がり、自衛軍を結成して、対抗する。韓国には徴兵制があるので、市民もまた、戦えるのだ。
それにしても、戒厳軍の中にも、ついこの間まで一般市民だった人もいたのではないだろうか。そちらからの視点は全くなく、だだの殺戮マシーンと化し、黙々と市民を攻撃する様は、個性を殺された印象で、かえって怖いのかも知れない。軍隊側の人間にも、躊躇する様があってもよくはないだろうか。あまりにも、非人間的過ぎたようにも思われた。
冒頭から登場している、コメディ・リリーフの二人組がいたが、この人たち、物語が深刻さを増しても、ふざけているのが、少し気になった。ある程度の時期が過ぎたら、もう真面目にやってくれてもいいと思う。
ものには、潮時がある。
それにしても、この事件。何となく聞いたことがある気がする程度で、内容は殆ど知らなかった。世界の様々な国の映画を見ては、ついこの間まで行われていた非道の数々を知る。
このように市民が血を流さなければ、平和というものは訪れないものなのだろうか。平和とは、市民が自らの手で、勝ち取らなければならないものなのだろうか。世界中が平和で当たり前の時代は、この地球上に訪れるのだろうか。
人類は、数々の戦いの歴史から、何も学んでいない。これが人間の業というものなのか。
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