森は生きている (1956)
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指輪よ転がれ
2008/05/01
by
アキラ
続いてはイワノフのキャリアも折り返し地点を過ぎた頃の代表作。人間の動きは初期ほどに躍動感はないものの動物の描写やファンタジックなシーンでは相変わらず健在な腕前を披露してくれる。両親である王と王妃に若くして先立たれた王女。彼女に物の分別を教える者は誰もいない。わがまま邦題な生活をしてついには自然の摂理さえひっくり返そうと年明けに今が春になるようにとおふれを出す。春の花を摘んで来た者には金貨を出すと聞いた意地悪親子は下女として使っていた少女(この話のヒロイン)に花を摘んで来るよう命令を出し、夜中の森へと放り出す。森を彷徨い途方に暮れていた少女は四季を司る12人の精霊たちに出会う。彼らは心優しい少女の為にちょっとだけ季節を変えて花を摘ませ、別れ際に4月の精霊が彼女に婚約指輪を贈る。
アラヴィンタンは『魔法使いのおじいさん』で犬革のコートの件を模倣したのだろうか。転がる指輪の件は太陽の娘の指輪が雪を溶かすシーンとかぶらないように作っているのだろうか。なんて疑問は置いといて、この作品のカタルシスは気に入りました。基本的にイワノフ映画には性格がねじ曲がりまくったキャラでも根本的な所から悪い奴はいない。彼らに対し森の精霊たちは罰するのではなく諭そうとしています。意地悪親子ですら反省を促す程度の処置。高慢な王女は他人に物を頼む態度を学ぶ。王国内では誰も逆らえなくとも大自然を従わせる事はできません。精霊たちに出会った彼らは少しだけ人間らしい謙虚さを学びます。狭い世界で病んで黒ずんだ人間の心を浄化する自然のあり方を象徴するような精霊たちの言葉は見事。あえて脚色しないままにアニメ化したのは正解。見ているこっちまで小さい事に囚われて悪意に染まった心を浄化された気分。
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