酒と女と槍 (1960) »レビュー

戦国時代の武士道の犠牲

80点 2008/05/11 by 夢寝由来

海音寺潮五郎の同名小説を気に入った大友柳太朗が映画化を希望した大作で内田吐夢が監督。
東映だから映画化が実現したが企画から完成まで3年を要したのは大友が三つもシリーズ掛け持ちしており超多忙だったからという皮肉な裏事情がある。
本作は殺陣の魅力は影を潜め≪士農工商≫と格は一番でも武士は主君の気まぐれで“切腹せよ”いや“切腹まかりならん!”で左右される悲惨な身分だったのだと云う悲劇を訴えている。
二人の女、東宝から借りた淡島千景と専属の花園ひろみでは花園の方が役のウエイトは高いが淡島の方が印象度は強い。
大友が≪槍の舞踊≫と見事な≪騎馬のスタント≫を見せるが後者は「隠し砦の三悪人」の三船敏郎に勝るとも劣らない迫力がある。
三十郎ショック前年の東映時代劇最盛期末期の作品で片岡千恵蔵、東野英治郎、原健策らが脇を固めた一見の価値ある作品。

 

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  • Re: 戦国時代の武士道の犠牲

    2008/05/18 by メイプルタウン

    大友柳太朗のキャラを生かした映画ですね。淡島千景が出演している「大停電の夜に」をリアルタイムで拝見していますが、「酒と女と槍」を見ると、正に正統派美人女優ですね。

  • Re: 戦国時代の武士道の犠牲

    2008/05/18 by 夢寝由来

    メイプルタウンさん、
    レスとストーリー入力ありがとうございます。
    本作の大友の槍を両手で振り回した騎馬スタントは数ある東映時代劇中屈指の出来栄えで、同年夏休み公開の「水戸黄門」で大友は“江戸ズン”と長屋の住人たちから慕われる人好しの剣豪を演じており≪槍一筋こお家柄≫の末路という設定でこれは楽屋落ちかセルフオマージュに思えます。
    淡島千景は当時東宝の専属だった筈ですが、やはり東映が業界首位だったからこそ実現した顔合わせですね。

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