雲南物語 (1994)
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残留日本人
2008/05/14
by
アキラ
中国残留孤児。その捜索放送を幼少の頃に何度かNHKラジオで聞いた憶えがあります。国の政策により旧満州に移住して長い間暮らしていたが敗戦後のドサクサで大陸に置き去りにされた日本人。復興の後、ようやく捜索が始まるも帰還を拒む者もいたらしい。そりゃあ子供の頃から満州に生まれ育てば、そこが故郷に思えてしまうだろう。大東亜戦争で身内を失っていれば帰る理由もない。中国人と結婚したなら夫や子供たちを残して日本に帰りたいとは思わないだろう。戦後半世紀以上の時が流れて捜索は打ち切り。生死を問わず帰らぬ者は事実上、日本国家に見捨てられた棄民となる。そのせいか’90年代には残留孤児を扱った中国映画が同時期に相次いで封切られた。これもそれらの中のひとつ。この物語は実在した残留日本人女性の半生を描く。
この映画の少し前に巨匠シェチンは同じ残留日本人を扱った『乳泉村の子』を発表している訳だが、それと比べてしまうと分かり易過ぎるほどクオリティは低い。下手な日本語やら老けメイクの違和感など、細かい点もさる事ながら、構成もあまりに大味でドラマとして描くべき夫との関係の変化などをすっ飛ばしてる。そこが曖昧だと彼女が雲南省に残りたいと望んだ理由がイマイチ分り難い。軍人だった男が女の自害を止める→病院で再会した男に「なぜ殺さなかった」と女が食って掛かる→呑みに行った先で契る男と女→退役して故郷に帰ろうとする男に付いて行くと縋り付く女。このシーン構成は男女の感情を語るにはあまりに弱い。
後半の帰郷や家族との再会も月並みな描き方しかしてなくて何とも弱い。だが中盤の雲南省における話には惹き付けられました。文明が充分に浸透していなかった頃の集落にはシャーマニズムが根強く残っていて不幸を呼び込む日本人としてヒロインを生け贄にしようとしたり、義理の弟をムチ打ちにしたり。おまけに出産を手伝うのも助産婦ではなく祈祷師。産気付いた妊婦の回りで踊り続け埃を立てるだけ。この惨状を見かねたヒロインは助産婦になり村中の子供を取り上げて一目置かれる。だが時代は文革に向け動き出していた。未開で純粋な村人たちの不気味さが上手く出ています。それだけに中途半端にヒロインを描いた前後が余計。
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