シンドラーのリスト (1993) »レビュー

限界における人間の本性を描いた作品

90点 2007/07/11 by 未登録ユーザ 地中海の青い砂

話の舞台は第二次大戦ですが、それは、この作品の舞台というだけであって、監督はとにかく、平和時ではない異常な状況における人間の本性を徹底的に描きだしたかったのだと思う。そういう意味で収容所の所長は、シンドラーよりも、より大きな位置を占めていたと思う。もし戦争が無ければおそらく平凡な一市民であったこのドイツの青年の洗脳された狂気は、見事に描かれていた。
これはなにも戦争中だけのことではない。最近の日本でのオウム真理教の事件、また吹き荒れたリストラという狂気の嵐、すべて現実の出来事であった。戦争が終わった後でも、つまり、平和時でも連綿として狂気は続いている。そのことの方がむしろもっと恐ろしいことのように思える。
人間、そして社会のもつ狂気を見据え、告発した社会性の強い作品といえるでしょう。恐ろしい映画ではあります。でも、それから目をそらしてはならないのでしょう。こういう映画は誰かがつくるべきであったという意味でも秀作でしょう。

 

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