海辺の家 (2001) »レビュー

人生最後の愛し直し

80点 2007/07/25 by ゴウ

余命が短いと知った父親が、最後の時間をグレてどうしょうもない息子、別れた妻と共に家を作って過ごすという物語。

この映画を観ている時、私は自分の家族のことを思い出していた。離婚した両親や、父親に全くなつかなかった兄、家族を失い、今は一人で生活する父。いろいろな事が現実とリンクして、胸が苦しかった。

主人公は、自分の死が近いと知って最初はがむしゃら、周りは理解を示してくれないのだけれど、段々と人への愛し方を学ぶ。愛を隠さなくなったから、向き合うことに本気になったから、愛を返してもらえるようになったのだと思う。彼は、それまで生きてんのか生きてないのか分からないような自分の人生を、人を愛すことによって取り戻そうとしたのだと思う。映画のプロセスは、家を作っていたのではなく、愛をつないでいたのだ。家が完成近い頃、集まった皆を一人一人抱擁していく彼は、すでに目標を達成していたのかも知れない。だから監督は、ああいったラストにしたんじゃないかな。

『海辺の家』は、海からの穏やかな風と、沈みゆく太陽を演出に上手く取り入れ、生きていること、世界を感じる喜びをさり気なく見せてくれる。最後の息子の成長は、涙で顔がクシャクシャになってしもーた。オーソドックスながら、心にしみる良い映画だ。

 

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