軍靴と自転車―第二次世界大戦で戦った南アフリカ人 (2007)
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カフィール
2008/06/03
by
アキラ
1941年、南アフリカは第二次世界大戦に参戦。他に職がない多くの貧困層が兵士として北上した。北アフリカのソウェトなどで一度はナチスの捕虜になりながらも勇敢に戦った英雄ジョプマセコ。彼の辿った軌跡を南アフリカのドキュメント監督ビンセントモロイが追って証言を拾い集めるナラタージュ。拾った不発弾から火薬を集め爆弾を作りリビアでナチスの弾薬庫を破壊しエルアラメインではイタリア軍撃退に一役買った男。だが英雄であるはずの彼の生涯は悲惨だった。当時の英国首相チャーチルが第三世界に約束したのは独立。だが彼らは約束を守らない。ナチスを撃退した後も搾取は続く。この戦争が彼に与えた褒美は軍靴と自転車。代償として奪ったのはかけがえのない青春と最愛の女性。そして人間としての尊厳と名誉と真実の歴史。
モロイ監督は語る。未だにアフリカの歴史は欧米にねじ曲げられていると。確かに学校で教えられる世界史の矛盾点に疑問を持った事はあります。当時世界最強と呼ばれた第三帝国の侵略は当然ヨーロッパだけでなくロシア中東アフリカにも手を伸ばしている訳だが、そこでの防衛戦の功績の大きさはあまり語られる事がない。形勢が逆転したのは米国参戦の影響ではなく、ロシアや北アフリカでの粘り強い防衛でナチス軍を消耗させた結果。それにも関わらず、参戦しナチスを撃退した国の多くは戦勝国ではなく第三国と位置付けられる。特にアフリカ諸国は戦って母国を守りきったにも拘らず英国に隷属した植民地という位置づけ。この矛盾についてはセンベーヌの『テアロユ基地』に描かれた通り。以降、欧州の裏切りに対する怒りが噴出して数多くの独立戦争が起こるが、それらを正面切って描く欧米の作品は少ない。欧米の尺度では彼らの歴史も闘争も取り立てるほどの事がないから。アフリカの声に耳を傾けなければ圧殺されたままの事実も確かにある。市場を牛耳る欧米作品は欺きはしないが偽りはする。市場から締め出された作品からしか明かされない事実。
横浜情報文化センターにてシネマアフリカ2008
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