チーズとジャム (2003) »レビュー

国際夫婦ゲンカ

70点 2008/06/03 by アキラ

○役者、ブランコ・ジュリッチ○
クストリッツァの『ジプシーのとき』や
タノヴィッチの『ノーマンズランド』で
世界的にも有名になった映画俳優。

民族紛争と分裂を繰り返す東欧の
旧ユーゴスラビアが活動の拠点。
現在のスロヴェニアのボスニア人。
つまり母国では”南部の人”と蔑まれる。
スラヴ系に比べるとボスニア系には
犯罪者が多いので厄介者扱い。
そんな彼の妻はなんとスラヴ系。
民族の違いを乗り越えた結婚。
それを映画化しようと自ら監督に挑戦。

こうして低予算なTV用の企画として立ち上げ
16ミリフィルムで撮影して製作したが
運良く映画館での上映に漕ぎ着けられたので
35ミリにブローアップされ海外にも紹介された。
内容はちゃんとコミカルに作り込まれた劇映画だが
そんな事情故に出演者はほとんどが身内や役者仲間。
夫役を監督本人が演じ、妻役を本当の妻が演じ、
近所の子供の役を監督夫妻の実の息子が演じる。

妻のヒモ状態だったダメ男。
一日中、呑んだくれてサッカー観戦。
妻の家出を切っ掛けに仕事を探し始める。
ところが呑み仲間が紹介した仕事は怪しい。
タンクに移民を隠してイタリアに運ぶ仕事。
大型免許を持たない男は悪戦苦闘した後に
諦めて国内で移民たちを放り出してしまう。
これがマフィアのドンにバレてさあ大変。
一度だけ信用回復のチャンスを与えられる。
もう後がない。それは上納金を
出し渋る店を脅す殴り込みの仕事。
ところが殴り込んだ店では偶然にも
妻とその親戚一同がパーティを開いていた。

少数民族の貧困と犯罪って背景を
軽快にコミカルに描き出した良作。
クストリッツァほど弾けてはいないけど
小規模な内容に上手く描き込めています。
ちなみに難民の中に日本人が混ざっていたけど
これって難民ってよりも迷子のバッグパッカー。

NFCにてEUフィルムデーズ2008

 

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