大脱走 (1963)
»レビュー
子供にも見せよう!
2002/08/20
by
倉島穂高
子供の頃、2〜3年にいっぺんはテレビ放映されるのを繰り返し観ていたような記憶があります。その頃から大好きでしたが、成人してビデオが普及してから初めてノーカットで観て、いくつかあった細かい疑問が一気に氷解。生涯のベスト・ムービーとなりました。あんなに頭よくてガッツのあるいい男ばかりが集まってたのは、往年のハリウッド式のキャスティングのせいではなく(それもあるけど(^^;)、あの収容所が将校ばかりを集めたところだからだったんですね。無謀とも思える脱走計画を懲りずに繰り返すのも、彼ら将校に敵軍の後方攪乱という任務があったから。単純に「逃げたい」って思ってたわけじゃなかったんだ(これは冒頭でリチャード・アッテンボローが自ら説明してますので、ネタバレお見逃しください)。
リーダーがいて、参謀がいて、穴掘り名人に偽造の達人、調達屋に工作屋に仕立て屋に見張り屋に陽動作戦実行班に……各人がおのれの得意技を駆使して、綿密な計画のもと、鮮やかなチームプレイを見せます。これ、子供の精神衛生上すごくいいんじゃないかな。テストで100点とれなくたって、逆上がりができなくたって、ほかにも自分を生かす道はいくらでもあるんだってことが理屈抜きにわかるもの。
その一方で行き当たりばったりのセコい脱走を試みる者あり、孤高のはみ出し者あり、志半ばで挫折する者あり、超がつくほど優秀なのに些細なつまずきですべてを棒に振る者あり。収容所にも人生の縮図がある。この大脱走計画の結末自体が、人生の縮図そのものですよね。なんたって実話ですし。
とことん明るい音楽も好き好き大好き! 場面にふさわしいアレンジでテーマ音楽のモチーフをバラエティ豊かに展開する方法って、『第三の男』なんかでも印象的でしたが、昨今はあまり見かけないような気が……古典的すぎる手法なのでしょうか。
まあ、細かいことはさておき、まだ観てない方々、一度は観ておいて絶対に損はありません!
このレビューに対する評価はまだありません。
※ユーザー登録すると、レビューを評価できるようになります。
-
クーラー・キング!
2002/08/20 by
仮名側之丞
私の従兄弟が子供の頃、学年全員で映画館へ大脱走を鑑賞に行った話を聞いた事があります。昔は子供に見せてたんですね。
脱走計画を練る場面は、企業のプロジェクトと重なるように思いました。
ところで私、この映画はジョン・スタージェス監督がマックイーンのために作った映画だと思ってます。バイク好きな方には、マックイーンが「盗んだバイクを乗り回し(尾崎豊と共通?)」、ドイツをツーリングする映画に見えてしまうそうで(笑)。あの田園風景が一番きれいな場面もマックイーンが独占してましたね。脱走場面でずっと見張りをしてたのも彼で、露出度は群を抜いてましたもの。
盗んだ飛○機がどうなろうが、独逸語会話で失敗しようが、マックイーンのダイナミックなアクションの前には色あせる。
マックイーン の「クーラー・キング」、まさにヒーローでしたね。さすがにマックイーン没('80)後はあまり放映されなくなり、非常に残念です。 -
意外にお茶目な独房王
2002/08/21 by
倉島穂高
やっぱりあのシーンは人気ありますねぇ。
いや、私も純粋にカッコいいと思います。
「クーラー・キング」というネーミングも絶妙。
ただ、私にとっての「一番カッコいいマックイーン」は
『タワーリング・インフェルノ』のオハラハン消防士だし
『大脱走』には他にも素敵な男がいっぱいいるので(*^.^*)
ヒルツくんのバイク疾走は、私の中では
相対的にそれほどポイント高くないんですよ。
彼のシーンでは、ベッドから抜き取った板を両手にかかえて
「ネバーマ〜インド!」と言うところが一番好きです。
それはそうと、初めてビデオで観た時にぶっとんだのは、
徴兵前のヒルツの身分です。
当時30を過ぎてたマックイーンにはちょっと……(^^;)
クーラーといえば、クーラー番をしていた無表情なドイツ兵、
絵に描いたようなゲルマン系のハンサムでしたね。
マックイーンのばりばりアイリッシュ顔と好対照。
男性は女性よりも民族の特徴がはっきり出るので、
男ばかりの映画は人種の見本市としても見ごたえあります。
時代が時代なので白人オンリーですけれど。
ビデオがすりきれそうなほど繰り返し観た映画ですが、
映画館でリバイバルしたら絶対に見に行きます! -
違う視点は新鮮ですね
2002/08/21 by
仮名側之丞
> 私にとっての「一番カッコいいマックイーン」は
『タワーリング・インフェルノ』のオハラハン消防士
う〜ん、渋いですね。
『タワーリング〜』の頃は恰幅良すぎて私にはどうも。 (ブルース・リー師匠亡き後、カンフー・トレーニングをさぼったからかな?)
また、P.ニューマンとタメを張り過ぎてどっちもどっち(あんちゃん達、若いね)だなと思いました。
マックイーン:俺たちが7階までしか消せないのに、君ら建築屋がどんどん高いビルをおっ建てるからだぞ!
ニューマン:おい、火を消しに来たんじゃなくて喧嘩を売りにきたのか!
あの2人の共演は豪華だったけど、ストーリーを考えると失敗だと思います。その教訓を活かしたのが『ダイ・ハード』(笑)。あれは『タワーリング〜』のいいとこ取りだと確信してます。
他の映画はともかく・笑。
> 男性は女性よりも民族の特徴がはっきり出るので、
半分は賛成。でも、それに加えて異性の顔の方をしげしげ・にやにや(失礼!)ご覧になるからでは?
私は(男)ですから女性の顔を、民族の特徴が分かるかはともかく、しげしげ・にやにや見てますよ。(笑)
それではまたどこかで御会いいたしましょう。 -
子供にも見せました!
2004/03/29 by
倉島穂高
『マスター・アンド・コマンダー』2度目の鑑賞に引き続き、『大脱走』になだれこみました。この映画には格別の想いがあるので、有楽町から東銀座へと向かう道ですでに足取りはスキップ寸前、空でも飛べそうな夢見心地で劇場に入るなり、ほっぺたゆるみっぱなしでセガレどもに「お母さん、気は確かか?!」とたしなめられる始末です。入り口にはヒルツの等身大(よりやや小ぶり?)のフィギュアと独軍バイクのレプリカが陳列され、場内では開演を待つ間に勇壮な大脱走マーチが流れ、曲と曲の間にヒルツやバートレットのせりふが入るというサービスぶり。「あの音はコントラバスだな」「あ、今のメロディはフルートとクラリネットだ」とマニアックな音分析に余念のない熱血ブラバン少年の長男に、「次のコンサートでは大脱走マーチやってくれ〜〜〜!」と熱烈なるリクエストをしておきました。
映画そのものについての感想は、もう繰り返しません。ただひたすら、「未見の人はビデオやDVDでもいいから観て!」と言いたいです。もちろん子供たちも大興奮の大満足で「これも漢の映画だ〜!」とノリノリでした。よくよく考えてみると結構シビアな筋書きなんですが、乾いたユーモアに彩られていてスカッとした気分になれるのよね。
ほんのちょっとだけ字幕にケチをつけさせていただくと、バートレットの最後のせりふに出てくる"Never happier before"は「幸せだった」じゃなくて「サイコーに楽しかった!」という感じにしてほしかったな。日本人はどうしても"happy"を「幸せ」と訳してしまうけれど、日本語を習いたてのアメリカ人は"Be happy!"という成句を「嬉しくなってください」と訳すことが多いです。どちらかというと「嬉しい」「楽しい」というニュアンスの語なんですよ。
でも、この映画をついに映画館で観ることのできた私は、間違いなく幸せです!!!(仮名側之丞さん、東劇でご覧になったかしら?)
返信を投稿
Copyright©2008 USEN GROUP All Rights Reserved.















