さらば、わが愛 覇王別姫 (1993)
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演技に感嘆。
2008/04/12
by
黄金のキツネ
三国志マニアだった関係で、「覇王」が項羽のことを指すことだけは知っていた。だから「姫」とはたぶん虞美人のことであり、楚漢戦争の末期の項羽と虞美人との別れを中心とした歴史+悲恋物かと思った。もちろんパッケージ表の妖艶な美人の絵にクラクラッときたのも理由のひとつだった。
ところが予想とはまったくかけ離れた物語が始まった。「えええっっ!?」と思ったのだが、そのまま約3時間、目は画面に釘付けとなった。
日中戦争以前から共産中国の文革後までの中国の近現代を背景に、波瀾万丈、かつすぐれた筆致でストーリーが描かれており、すごい吸引力がある。そして主人公の程蝶衣を演じた役者たちが、もうめちゃくちゃ上手い。少年期を演じた尹治(イン・チー)は少女かと思ってしまうほどの容姿と繊細さがあるし、そしてなによりも成人期を演じた張國榮(レスリー・チャン)の演技には、ほんとうに感嘆してしまった。
いろいろな映画で、役になりきってるなぁとか、すごい演技をする人だなぁと感じた俳優は何人もいた。それでも名優と呼ばれている人ではあっても、映画を観ている最中に、ふと俳優自身の存在をその演じている役の背後に感じてしまうことが多かった。
しかしこの映画でのレスリー・チャンは、主人公の程蝶衣に身も心も完全に憑依しているかのように思えた。だから画面からはレスリー・チャンの存在はかき消え、程蝶衣だけが存在しているように思われた。演技を超えた演技、とでも言うのだろうか。人間は常人を超えた凄まじいことが本当にできるものなんだ。
だから小樓役の張豐毅(チャン・フォンイー)が今ひとつ冴えなかったのも、あまり気にはならなかった。京劇と一人の男性に想いを懸けた生涯を重厚に描いた傑作で、カンヌでパルム・ドールに輝いたのも納得の作品です。
(まあでもこれからはパッケージの裏もちゃんと読んでから借りることにしますわ。かなり疲れているときに観たので、観終わったときには心身ともに、「づがれ"だあ"ぁ・・・」となりましたので。)
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