仁義なき戦い 頂上作戦 (1974)
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ピラニア軍団の魅力全開(レビュー投稿100本目)
2008/05/16
by
牧坂満
ナレーションでも語られているように、高度経済成長を始めた日本は東京オリンピックを翌年に控えて、社会秩序の破壊者である組織暴力に目を向け始めます。第三部「代理戦争」ではやくざ社会であっても好き好んで戦争をやる訳ではなく、ぎりぎりの線の妥協点を見出すべく、外交によって戦争回避をする姿が見受けられました。しかし、第四部「頂上作戦」では再び凄まじい暴力の嵐が吹き荒れるのです。死者37名、重軽傷者66名を数えた広島抗争事件、広島では北大路欣也演じる山中正治が、呉では梅宮辰夫演じる若杉寛が序章を成した半世紀に渡る日本最大の暴力団抗争はどのように萌芽してどのように収束に至ったのかを描いています。余談ですが、実際に和解に奔走したのは「最後の博徒」で描かれているN・M氏なのですが、映画では彼を前面に登場させる技法はとらずに、ドラマチックな集団劇として演出しています。
堅気とやくざを分けるものを再確認させられるものを映画は訴えかけます。両者を分けるモノ、それは人間の持つ欲望にどれだけ正直で忠実でいられるかで決定するのではないでしょうか。この点で市民社会に棲む一般人は、やくざには到底敵わないのです。やくざは人間の欲望を手中にする際の危険負担を顧みず、それを実現させることに全エネルギーを投入出来ることです。それを阻止するのは法治国家の法なのですが、破天荒な破滅型の突破者予備軍の例として、関西地方で起きた痛ましい事件、国立小学校の児童殺傷犯の行動にあります。彼は最後までツッパリ通して「死刑、上等じゃねえか」と嘯いたそうです。
堅気の最大のウイークポイントは命のやり取りが出来ないことであり、やくざ組織の中には彼のような破滅型タイプが何人も存在しているということです。映画では長期の懲役刑を受けた、広能昌三と武田明が刑務所内で会話を交わすシーンで終わりますが、老獪な山守親分に翻弄されて間尺に合わない仕事をしてしまった二人の諦めに似た納得感・自虐感が滲み出ていて見事なエンディングです。それにしてもピラニア軍団の演技には目を見張らせられます。志賀勝が演じる破滅型タイプの不気味な殺し屋に戦慄したのは私だけではないでしょう。
【丸の内東映】劇場鑑賞
【神楽坂東映】劇場鑑賞
【池袋文芸地下】劇場鑑賞
【新宿昭和館】劇場鑑賞
【ビデオ・マイコレクション】鑑賞
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