仁義なき戦い (1973) »レビュー

ゴッドファーザーに通底するテツガクを感じます

70点 2007/08/17 by 理屈屋

戦後の混乱に、さまざまな危険から身を護ったり、限りある資源を入手しようとして、身を寄せ合うようにして組織を拡大していったヤクザ組織が、いつのまにかその本来の成り立ちを忘れ、やがては利権を争う、文字通り「仁義なき闘い」で殺し合をし始める様子を、ドキュメンタリーのように見せて行く作品でした。「実録モノ」という感じ、よく出てます。

ちょうど、ゴッド・ファーザーで見たような、ファミリーを護る為と言いつつ、帝国を築かんと、血にまみれた殺し合いの道行きを進み始める姿によく似ていました。

主人公のヤクザを演じる菅原文太さんが、素朴な価値観をもつ、昭和の残侠って感じながら、時代の趨勢に流され、為す術もなく砂を噛むような思いで、そのようなヤクザの変遷を眺める語り部の役をしているようで、非常に興味深い役所です。

いやぁ、このお話は「ヤクザ」の物語なのですが、「カタギ」の世界も、たぶん「殺し」がないだけで実質は似たようなモノではなかったのかなぁ、などと思ったりして、「戦後」とか「昭和」という時代に思いを駆け巡らせてしまいます。

「実録モノ」だけに、そういった「世相」を感じさせる面白さがありました。

 

2人がこのレビューに共感したと評価しています。
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  • ゴッドファーザーに通底するテツガクを考える

    2008/03/18 by 牧坂満

     本シリーズの第四部「頂上作戦」でも書きこみましたが、一般市民とやくざの違いは、目的達成のためには手段を選ばない、命の取りっこをする覚悟があるということに他なりません。これはビジネスの社会に置き換えて考察すれば分かりますが、西欧人、特に海賊王バイキングの末裔であるアングロサクソンの人間たちが持っている激しさ、目的成就のためには何が何でも押し通そうとする強さ、また状況が変われば豹変する冷酷さを痛感した経験は「理屈屋」さんにもあることだと思います。

     日本人の一般国民が大切に思っているものとは異質であり、基礎的な構図そのものが違っているのでしょう。世界最強の暴力団はアングロサクソンが支配するアメリカ合衆国であり、彼らは自らの欲望を達成するために、外交戦略が行き詰ると、世界最強の軍隊を派兵しています。そのアングロサクソンの気質を持っているのが、本作品に登場する人々なのでしょう。

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