ゴジラ (1954)
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ゴジラの咆哮は生き物の嘆き!
2008/05/21
by
星空のマリオネット
昭和29年3月に発生した「第五福竜丸」事件。太平洋上ビキニ環礁で行われた米国の水爆実験。死の灰を浴びた船員から死者も出したこの大事件が反核運動に火をつけ、地球規模の環境汚染による人類の滅亡という脅威を世界中に初めて強く意識させたようです。
映画「ゴジラ」が誕生したのは、この「第五福竜丸」(注)事件からわずか7ヵ月後の同年11月。当時の日本の映画界の活力の凄さを感じさせる出来事だと思います。
水爆実験により産み落とされたゴジラは、怖ろしい燃えるような目で都市を睥睨し、放射能の火炎を吐き破壊の限りを尽くす。
さて、オープニングの東宝ロゴマークの登場から、「ゴジラ」の恐怖の世界にいきなり引きずり込んでしまう力を持った作品です。あの有名なゴジラの地響きのような足音と咆哮、音楽が効いている。まるで黒澤映画のような迫力!
東京を襲うゴジラ。
焼け野原となった東京の姿はそのわずか10年前、昭和20年の本物の東京の姿とだぶります。B29の大空襲により焼き尽くされた東京。疎開する人々の群れ。
しかし、東京大空襲でも焼け残った銀座の象徴「和光の時計台」も、ゴジラによって破壊されてしまいます。ゴジラが吐く放射能の火炎は、まさに原爆の爆風のような破壊力です。
水爆実験により安住の地を追われ滅んでいくゴジラの姿は、人間の将来を暗示しているようでもあります。ゴジラ(第一作)は、重くて暗い大人の映画です。
ところで、この映画でちょっと面白かったのは、モノクロのアニメーションを観ているような雰囲気があったということです。登場人物の台詞やそのしゃべり方、カット割りは、昔の鉄腕アトム等のアニメを想起させもします。
役者の演技は概していまひとつ。演出に拘る余裕はなかったのかもしれません。ただ、国会議員同士の論争の様子はなかなか面白かった。野党の女闘士を演じている菅井きんの様子が、いかにも当時の女闘士のイメージに嵌っていて楽しかった。
しかし、今回ちょっとショックだったのは、ゴジラの造形が自分がイメージしていたものと少し違っていたということです。
多分私が抱いていたイメージは、昭和30年代後半から40年代前半あたり(ゴジラ第三弾以降)、映画館でリアルタイムで観ていた頃のゴジラの造形だったのかもしれません。第一作のゴジラは思ったより頭が大きく、恐竜の面影を残していました。
(注)「第五福竜丸」の事件については、できるだけ事実を忠実に描きたいという新藤兼人監督により昭和34年に映画化されています。タイトルはずばり「第五福竜丸」。
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