フェーム (1980)
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古典的な人物描写
2007/04/02
by
Baad
青春映画の傑作と言えば’80年前後には腐るほどあった。
ポール・マザスキーの『グリニッジビレッジの青春』、ミロシュ・フォアマンの『ヘアー』、ズラウスキーの『私生活のない女』、ジム・マクブライトの『ブレスレス』あたりが特に印象的で、いずれもある部分クセが強い。それらと比べるとこの作品は、公開時に見たはずなのに、記憶に残っているのはダンスシーンとロッキーホラーショーを見た後ドリスが口にする「個性がないのがなんなの、私は女優よ、何にでもなれる。」という意味の台詞だけ。群像劇としての演出の上手さだけが売りの作品という印象だった。
久ぶりに、BSで一部を見たのをきっかけにDVDで見直してみて、この映画が今見てもあまり古く感じないうえに、ミュージカル映画としても群像劇としても実に手堅く自然に出来ていることに驚いた。特にオーディションのシーンはいきいきとして面白い。ドラマとしてもとても自然だ。フィナーレの卒業式のシーンもよく出来ている。ただ、このシーンのスポットの当て方、あまりに自然過ぎて登場人物の将来までも予見できてしまうような感じがして、今見ると出来過ぎのようにも思えるし、意外にも人物描写がずいぶんと古典的だな、という感じがする。取材に基づいた最大公約数的な人物描写がなされた映画の面白さというのはいつ見てもそれなりでしかなく、監督の作家性に基づく人物描写や本当のドキュメンタリーのそれよりはどうしてもインパクトが弱くなってしまうのかもしれない。
レンタルしたDVDの特典映像には現在の舞台芸術学院のドキュメンタリーが収録されたていたが、映画本体よりも、私にはこちらの方が面白かった。高校生以上の子供がいれば、春休みに親子で(別々に)見るのに丁度良い映画だと思う。
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