天国と地獄 (1963)
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バベルの塔
2007/12/08
by
むぎわら帽子のジミー
高台に豪邸を構える野心的な大手靴メーカーの専務が、運転手の息子の誘拐事件に巻き込まれるサスペンス映画。よく知られた傑作映画ということで、期待して観ましたが、予想していたよりもさらにおもしろかったです!
特に、"人違い誘拐" というアイデアが優れていますね。これは、新作映画ばかりをたくさん観ている私でも、斬新に感じられました。もし自分が権藤だったら、はたして身代金を出せるだろうか? と考えてしまう。多大な葛藤が生じるという点で、文学的な匂いのする不条理です。
サスペンスそれ自体もたいへんおもしろく、身代金の受け渡し方法や、警察の捜査が犯人にたどり着く過程など、スリリングに描けており、またその一方で、運転手の申し訳なく思う気持ちや、仕事と割り切らず、あくまでも被害者のために捜査を続ける警部など、人が人を思う気持ちもよく出ていて、人間ドラマとしても完成度は高いです。
黒澤明は、貧困をテーマにして映画を撮り続けていた監督。それだけに "天国" よりも "地獄" の描写に力が入っていますね。犯人の動機に意外性は感じられなかったものの、おそらく監督としては、そこに意味を込めたのではないかという気がする。
2007/12/01 TOHOシネマズ津島(5)
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