赤ひげ (1965)
»レビュー
黒澤&三船の最後の映画
2005/02/08
by
椎茸
黒澤さんは映画において時代が江戸時代だろうと戦国時代だろうと徹底して普遍的に人間を捉えて描いてるから、どれを取って見てみても今に通ずる凄みを感じさせてくれるのですが、この「赤ひげ」も同様で、一エリート医師(加山雄三)の成長が主軸となって展開して行く過程は、まるで現代ドラマを見ているようでした。エリートであるが故の慢心や盲目、人間社会において救われない人々を助けるとはどういう事なのかという普遍性、そして時には苦い水も飲まなければ人間など容易には救えるはずが無いのだという真理がこの映画ではしっかり描かれていて素晴らしかったです。
善人面してキレイ事しか言わない人間がいかに怪しいものなのか、この映画が物語っていると思うし、また人々の噂ってものが往往にして軽薄で真実から乖離しているのかって事も分かると思います。
物事の大半が目先の損か得かで判断される今の時代、赤ひげの様に生きていくのは非常に困難な様に映るが、長い目で捉えてみれば、それが真の価値となり、結果として得へと繋がって行く様な気がしてなりません。そんな事を感じさせてくれる一本でした。
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