ヘヴン (2002)
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圧倒的な映像美!! だからこそ……
2005/01/30
by
倉島穂高
これは興行的に当たらなかったであろうと容易に想像できます。ひたすら眠気を誘うようなゆる〜いテンポの物語で、メイキングでは監督自ら「催眠的な脚本」なんて言ってる。ストーリーについて突っ込むのはヤボというものでしょう。
ケイト・ブランシェットの造形は万人の心に訴えうるほどの美形ではないけれど、表情やたたずまいがなんとも言えず美しい。今まで痩せぎすだと思っていたのに、実はかなりメリハリのあるプロポーションであることも新たに発見。きれいな縦長の頭蓋骨にピンと張った肩、ほどよいボリュームの乳房、キュッとくびれたウエストの位置は驚くほど高く、どど〜んと安産型のヒップにすらりと長い脚……『耳に残るは君の歌声』ではショーガールの役だったから、かなりボディコンシャスな服を着てたはずなのに全然気がつかなかったな。物語はゆるいけれど、彼女の表情の移り変わりを観ているだけでも私は飽きませんでしたね。
対するジョバンニ・リビージは適役ではあるものの、シルエットがダメだ〜〜〜!! 世界史の教科書の最初のページに載っていた北京原人とかアウストラロピテクスが横向きの立位でずらりと並んだ図、を思い出してしまった……普通の映像の中の彼がちっこくて不細工でサエないのはちっともかまわないのです。そういう役柄だから。しかしね、あんな象徴的かつ印象的なシーンで北京原人を連想させられるのはペケでしょ。美しくなくてもいい、せめてさらっと見過ごせる程度にバランスのとれたシルエットであってほしい。それがダメならあんなシーンを撮るべきではない。美しい映像に多くを頼る映画だから、この失点は痛い。
もうちょっとふたりのエロスをにおいたたせてくれれば、及第点の70点をつけてあげるんだけどな。彼の愛が決してプラトニックではないことは早い段階で示されていたのに、その後の展開がイマイチ。じっと見つめ合うふたりの間に濃密に漂い、だんだんと煮詰まっていく気配みたいなものをもっとじっくり映し出してほしかった。
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