女王陛下の007 (1969)
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007・ラブストーリー
2008/03/25
by
牧坂満
私が初めて出会った007は高校二年生のときの「007は二度死ぬ」でしたが、高校三年生の期末テスト終了時期に、クラスメイトの女子高校生より「女王陛下の007」が見たいと言われたので、御同伴頂いた二度目の007です。同伴してくれた女子高校生「Y・Tさん」は英語が堪能だっただけあって、ニュー007のジョージ・レーゼンビーというオーストラリアのモデルが演じた英語がクイーンズイングリシュではないと終始嘆いていましたので、今回は特別に登場頂きました。
私と007のその後は名画座系の三番舘で「007・サンダーボール作戦」を高校生時代に見ましたので、ジェームズ・ボンド役はショーン・コネリーでないことに抵抗を覚えながらの鑑賞になりました。しかし、監督のピーター・ハントは、007シリーズの編集担当だけあって、カットを多用したアクション・シーンは、アップテンポで歯切れの良いシーンを演出しています。
公開当時はジェームズ・ボンド=ショーン・コネリーの印象が根強く残っていたので、ニュー007のイメージ作りを考慮、イアン・フレミングの原作に一番忠実な作品にして、秘密兵器の存在やアストンマーチンDBSもほんの瞬間しか登場させない上に、水着姿のボンドガールなどを排除、本格的アクション映画を製作しようという意気込みが感じられます。大人になって何度か見直してみると、テレサの部屋のキャビアをつまみ食いしたボンドが、カスピ海北産のロイヤル・ベルーガ製品だと当てたり、ドン・ペリニヨンの1957年ものを注文したりするシーンに最もボンド映画らしいボンド映画として再評価するに至りました。
圧巻はブロフェルドのアジト(細菌研究所)をスイスのシルトホルン山頂に実在する回転展望台レストランにもってきたことです。雪に覆われたスイスの名山だけでも一見の価値があり、ケーブルウェイも「荒鷲の要塞」を彷彿とさせる醍醐味がありました。映画ではブロフェルドが、前作「007は二度死ぬ」で出会った筈のボンドの正体に、最初気付かないのが不自然に見えるのですが、フレミング原作では本作の方が前の事件なのです。どこまでも原作に忠実なニューボンド映画です。
クールビューティなトレイシーを演じた、ダイアナ・リグは歴代ボンド・ガールの中でも「007・ロシアより愛をこめて」のダニエラ・ビアンキに次ぐお気に入りの1人になったことも付け加えておきます。また、プレイボーイのボンドが初めて恋に落ちるという設定だけあって、サッチモの主題歌をBGMにカット・インされるボンドとトレイシーの木漏れ日の中の乗馬シーンは、今迄のボンドではないイメージを造り上げていました。
7人がこのレビューに共感したと評価しています。
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Re: 007・ラブストーリー
2008/03/25 by
じょりちょこ
同感です。
さすがに「ロシアより愛をこめて」より面白いとまでは言いませんが、(レゼンビーの表情が曇りがちな点を除けば)シリーズでも屈指の仕上りだと思います。
この路線が失敗したことがロジャー・ムーアの登場を招いたわけですが(イアン・フレミングはもともとムーアを希望していたそうですね)、どうもロジャー・ムーアのボンドは軽薄エロ親父という印象があって好きになれません(コネリーは、仕事のついでに色を楽しんでいるように感じるのですが、ムーアは色のために仕事をしているように感じるというか...)。
ああ、そうそう、この映画、ラストシーンもちょっとがっかりですね。「郵便配達は二度ベルを鳴らす」じゃないんですから...って思うのは僕だけでしょうか。 -
流石はじょりちょこさん
2008/03/25 by
牧坂満
ロジャー・ムーアのボンドは軽薄エロ親父という印象には100%賛成です。よって彼が演じたジェームズ・ボンドでコメディーでないのは「私が愛したスパイ」だけになっています。
「郵便配達は二度ベルを鳴らす」は指摘されてなる程と思いました。同・映画は感激の余りにDVDを三本とも購入しましたが、ルキノ・ヴィスコンティ版が一番気に入っています。
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