用心棒 (1961)
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用心棒の魅力溢れるキャラクター
2008/05/06
by
メイプルタウン
「用心棒」の導入部、上州(?)の空っ風が吹きすさぶ宿場町の通りの中から、野良犬が人間の手首を銜えて走ってくるシーンに唖然とさせられました。三船敏郎が演じる用心棒が初めて宿場町に入ってくる場面。やくざの抗争で荒廃した宿場町を強烈に印象づける即物的で見事なショットです。
BS・NHK放送での鑑賞になりましたが、黒澤明監督作品は「羅生門」や「野良犬」でも見られるように、猛烈な荒天が現れます。それは暴風であり、豪雨であり、強烈な陽射しなのです。「乱」では本物の台風が襲来するのを待ったと聞きます。映画を鑑賞すると分かりますが、仲代達矢扮する主君の遥か遠くの草までもが揺れているのです。
イタリアンウエスタンの「荒野の用心棒」では桑畑三十郎を丁寧に真似していました。それはイタリア語の原題である「一握りのドルのために」が物語っているように、清濁併せ呑む度量を持った主人公が、正義と悪の脆い境界線上で見せるヒューマニズムにあります。無精髭をたくわえ何日も洗濯していない着物を着ながらも、巻き上げたお金を全部餞別に与えてしまう照れ屋の用心棒。
祖母に聞くと、東映映画の化粧をしたチャンバラ映画のファンだったそうで、「用心棒」や「椿三十郎」は受け付けなかったようです。でも生身の人間的魅力は、東宝映画の黒澤明監督作品や小林正樹監督作品に感じてしまうのです。
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砂塵と東映時代劇
2008/05/10 by
夢寝由来
> 黒澤明監督作品は「羅生門」や「野良犬」でも見られるように、猛烈な荒天が現れます。
メイプルタウンさん、いい視点だと思います。
本作のキーワードの一つである砂塵=砂嵐(サンドストーム)は黒澤さんが師匠と尊敬するジョン・フォードの「三人の名付け親」(1948)やジョン・ヒューストンの「黄金」(同)「許されざる者」(1959)ジョン・スタージェスの「ビッグトレイル」(1965)にも重要な役割を担っています。偶然にも別作品のレビューで牧坂さんが指摘された女を描く事が苦手な3大巨匠ジョンです。
> 祖母に聞くと、東映映画の化粧をしたチャンバラ映画のファンだったそうで、「用心棒」や「椿三十郎」は受け付けなかったようです。
おばあさんの気持ちは理解できます。熱烈な東映時代劇ファンは和服を着て劇場に通ったという伝説的な逸話もありますし、東映時代劇関係者は本作を自分たちの生活権を奪った“名前すら名乗らない無礼極まりない三十郎”とメッタギリしている記事がありました。
1956年〜1960年は東映が時代劇王国で主役を張る7大スターは顔アップの数と殺陣の活躍度が格によって決まっており、悪役にも格と斬られる順番がありトップクラスの悪役は斬られる際に“苦痛に充ちた形相”のアップを撮ってもらえたそうです。
そういったマニュアル無視の本作が大ヒットした事を東映関係者や東映時代劇ファンが誉めるのはチト無理でしょう。
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