ランボー 怒りの脱出 (1985) »レビュー

“強いアメリカ”がテーマ

70点 2008/07/10 by 牧坂満

 第1作が、市民生活に順応出来ないヴェトナム戦争帰還兵を描いていたのに対して、今回はランボーの原体験の場所だったヴェトナムが舞台であり、ランボーに扮したシルヴェスター・スタローンが人間離れした大活躍を見せるのです。但し、どうしても現実の戦争と重ねて観てしまうので、「ランボー・最後の戦場」同様に賛否両論が飛び交ってしまうのです。

 …とはいえ、痛快無類のアクション映画であることは事実なので、シンプル・イズ・ベストの精神で鑑賞しましょう。ジャングルで見せるゲリラ戦のテクニックといったら、日頃のフラストレーションなんか一気に吹っ飛びます。泥の中にもぐり、水中に隠れ、森の中に潜む。本物のレインジャーはスタローンのようにビルアップされた“速筋”発達者ではなく、マラソンランナーのような“遅筋”発達者なのですが、本物よりも映画的リアリズムを堪能しましょう。(※ジャングルではケガをし易いので、暑くても長袖を着用します。因って上半身裸は絶対に避けましょうネ!Mr.ランボー!)

 「ランボー・最後の戦場」でも女性ボランティアがランボーに影響を与えていましたが、本作品でもジュリー・ニクソン扮する女性兵士の運命がランボーを人間凶器(兵器)に変貌させるのも見事ながら、彼に任務を与えたアメリカ軍上司の裏切りが孤独な戦士に怒りの脱出劇をさせる構成がいいのです。

 ワンマン・アーミーが装備する火器は、同じ年に公開された「コマンドー」を意識したのか、ミサイル搭載のバトル・ヘリから、RPG−7(※映画「ブラックホーク・ダウン」や「チャーリー・ウイルソンズ・ウォー」にも登場。)、M−60マシンガン(※映画「コマンドー」でもシュワちゃんが片手で抱えていましたが、本作品でも片手で抱えています。当時、ボディビル仲間の間で絶賛されたシーンでもあります。)、M−5Kサブマシンガン、コンパウンド・ボウ・マーティン・アーチェリー、コンバットナイフまでズラリと勢揃いさせた演出にマニアは大歓声の連呼状態。

 ヴェトナム兵により四面楚歌に置かれたランボーを見捨てて飛び去ってしまうアメリカ軍ヘリを見上げるランボーのやり場のない怒りが痛感させられますが、絶体絶命の窮地に陥っても表情一つ変えないシーンが一層“孤独な戦士”を感じさせて見事な演出だと思います。ラストのセリフも心憎い演出ながら、「プラトーン」や「ハンバーガーヒル」とは違った“強いアメリカ”がテーマですので、単純にアクション(だけ)映画として楽しみましょう。

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