椿三十郎 (1962) »レビュー

俺に言わせりゃ黒澤明が本物で…(改訂版)

100点 2008/05/15 by 夢寝由来

昭和36年4月5日公開の「用心棒」(以下前作と称す)は冬の話、翌年元旦公開の本作は春の話。
前作で斬った行為に何の疑問も持たなかった三十郎、本作では斬る事に反省を持つ三十郎。
女優視点で観るとエゴイズムを象徴した前作の山田五十鈴、で本作はヒューマニズムの代表者=入江たか子。
1人の老人(東野英治郎)が味方だった前作、9人の若者が味方の本作。
佐藤勝の音楽も軽い前作、重い本作と多くの点で対照的2作品
宿敵である仲代達矢は木村功の代役のような前作よりも本作の方がずっと生き生きしている。
本作の影の主役は9人の若(バカ)侍たちであるが、キャラクターの明確なのは、頼りない若大将=加山雄三、心配性の博士=平田昭彦、疑い深い青大将=田中邦衛の3人である。他の6人は徹底した脇役になっている。この大胆な割り切り方は後のクレージー・キャッツ映画のお手本になったのではないか?!(クレージー映画も主役3人+脇役4人というパターンが多い)
又、小林桂樹のとぼけた台詞回しは谷啓に似ていて、押し入れから登場するタイミングが(お呼びでない的)植木等にそっくりである。但し本作の九人はクレージー・キャッツ七人に負けないチームワークで一同に笑う時見事にハモったり、刀を構えたり抜いたりの呼吸はピッタリで見ていて気持ちいい。若侍の数は特に九人である必然性は無く7人でも11人でもかまわないが何故9人なのか?おそらく当時の国民的スポーツは野球だったからでしょう。
さてレギュラー志村喬だが、本作では伊藤雄之助と役を交替した?らしくまたしてもも悪役!
三船敏郎の言う「(城代家老は)自分がバカだと言われてる事を気にしないだけでも大物だ!」及び「人は見かけによらないよ。危ない、危ない」黒澤明の人生哲学かもしれないが、私の好きな言葉です。

 

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