ハウルの動く城 (2004) »レビュー

いとしむ視点とソフィーの視点

60点 2005/06/20 by 未登録ユーザ 陽子

一人の作家にとって描いてて楽しい、しっくりくるキャラクターとその配置、基本的なストーリーラインって、色々バリエーションをもたせたつもりでも、あまり変わらない。

ハウルも、原作にくらべて、やはりいつもの宮崎監督好みにぐーっと寄せられていた。ストーリーの変化も、キャラに整合性をもたせる方向でかえられていったのかな、と想像した。ソフィーの一人称で描かれた原作を外側から描く困難。そこで、宮崎監督はいつもどおり「けなげな少女をいとおしむ」ように描いた。結果、戦う主体であるソフィーの側から味わった原作とは全く異質のものになっていた。何と言うか、微妙な屈辱感を味わった。「いいこいいこ」と頭をなでられたような。女性作家作品の男性監督による映像化で、しばしば味わう感覚なのだが、私のプライドが高すぎるのだろうか。でもそれは宮崎監督も同じで、それがハウルを「臆病な弱虫」として描ききることを拒ませたのではないだろうか。結局映画は監督のものである。

自然の描写や、くすりと笑わせるかかしやマルクルがらみの演出など美点もたくさんある映画だが、根本的なところですれちがった感が最後までぬぐえなかった。

 

1人がこのレビューに共感したと評価しています。
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  • 私も今まで、なんとなく、そのような感覚を味わうことがありました。

    2005/08/25 by コトノハ

    >何と言うか、微妙な屈辱感を味わった。「いいこいいこ」と頭をなでられたような。女性作家作品の男性監督による映像化で、しばしば味わう感覚

     本作はとても好きですが、私も今まで、本作や他の色々な映画等でなんとなく、そのような感覚を味わうことがありました。言葉にしていただいて少しすっきりしました。

  • ふむ

    2007/06/26 by 未登録ユーザ ヘポン

    私は結構、ソフィーの凛とした立ち居振る舞い、ポジティブな感覚を見上げるように見てましたね

    いずれのキャラクターにも等しく、監督の理想我?が盛り込まれてましたね
    あんなお年をめした方のそういうのに共感できて私はよかったです。

    「いいこいいこ」というのは、男性側の虚勢のある種屈折した形の現れじゃないでしょうかね
    「おれは雄牛だ!」みたいな素直なものじゃない、監督なりの表現方法というか

    ただ、これはどこまでいっても、監督が城を動かすための、その絵面のインパクトを楽しむ映画なので、
    あまり重要ではないのかもしれませんが

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