トロイ (2004)
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蛇頭竜腹蛇尾かな?
2005/05/20
by
理屈屋
大勢の兵士達の肉弾相打つスペクタクル映画として良いシーンがいっぱいです。
鉄壁の城壁を利用した見事な戦術のシーンは、一見すると不利に見えるのに、どうやって圧倒的多勢を撃退できるんだろう?という疑問に見事に答えを示してくれました。感動的です。
また、1対1の決闘シーンも見応えがあります。
ブラッド・ピットさん演じるアキレスの動きの速さとキレの鋭さは、豪傑という言葉に新たなイメージを与えてくれます。素晴らしかったと思います。
と、いう具合に、中盤の戦闘場面では迫力ある良いシーン満載です。
しかし残念ながら、お話全体としては、少々不満が残りました。
アメリカ製娯楽大作のためか、ギリシャ悲劇という側面が、かなり無視されていたような感じです。
問答無用でいきなり戦争が始まり、激しく闘った後、突如暗転してエンドロール、以下余白みたいな唐突な終わり方です。
いくさに至るまでに、やむにやまれぬ事情や、戦争を回避しようとする努力、野心家が汚い謀略を巡らす場面なんかがあっても良いんじゃないかと思います。
それによって観客は登場人物に同情したり好感をもったり尊敬したり軽蔑してしまったりしますよね。
で、何と言ってもいくさの後です。
一体、いくさによって私の好きなあの人は何を得たのか、尊敬するこの人は何の為に戦ったのか、軽蔑するアイツは何の為に死んだのか、とかを観客に見せつけて欲しいですよね。
それで、立派な人も邪悪な奴も大勢が死んだにもかかわらず、結局は引き換えに何も残らない不毛さや悲劇性を描写することが必須だったんじゃないかと思います。
ギリシャ悲劇を基にしているわけですから、もう少し悲劇性を強調して、観客を巻き込んで胸に迫るように描いたら、もっと感動的で、もとになったギリシャ悲劇を読んでみたいと思わせる作品になったんじゃないかなあと思いました。数千年前の人が書いた悲劇を現代人が味わう奇跡を感じさせてくれる作品に出来なかったものか、少し残念です。
冒頭タイトル通り、蛇頭竜腹蛇尾な作品に感じました。
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