キャバレー (1972) »レビュー

歪んだ鏡

90点 2008/05/11 by クラリス2号

女性の切ない映画は、男性のそれとは少し違って感じる時があります。

舞台で「ミュージカルの神様」と称されたボブ・フォッシー監督、振付。
ベルリン1931年、ナチスが台頭し始めてきた頃のキャバレーを舞台に繰り広げられる、退廃的で妖しい苦味の利いたミュージカル。
キャバレー歌手サリー(ライザ・ミネリ)と英国青年ブライアン(マイケル・ヨーク)との恋物語と、猥雑で甘美なショー、そして忍び寄る時代の影。

可愛くて、いじらしくて、天真爛漫で、『人生はキャバレー』と唄うサリー。
ミネリの大きな眼と全身で唄う姿に、彼女の「生きる覚悟」を感じます。
(そういうことか・・私のこの違和感は、女性のしたたかな棘の痛みも感じていたんだ。)

こちらの感傷を突き放すかのような、ラストのラスト。
そこはフォッシー監督ですから、私たちをすんなり帰してはくれませんよ・・

ライザ・ミネリ(「ニューヨーク・ニューヨーク」)と、狂言回し的なキャバレーの司会者ジョエル・グレイが『本物』を見せてくれます。

 

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