ワイアット・アープ (1994)
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バットマスターソン登場
2008/05/12
by
牧坂満
何度も映画化されてきたアメリカ伝説の英雄「ワイアット・アープ」を描いた傑作であり、強靭な精神力でアメリカの正義を護った名保安官という視点だけではなく、様々な挫折を味わいながら人間的に成長していく主人公像に女性ファンへのサービスが感じられます。
映画の冒頭は決闘に赴く寸前のワイアット・アープのシーンから始まり、それは、フィルムノワールのような暗い画面なのですが、一気に過去へフラッシュバックします。80エーカーのとうもろこし畑の鮮やかな新緑が目に飛び込んで来るのです。ジーン・ハックマン扮する父親のセリフは現代に生きる人々にとっても意味ある言葉となるでしょう。
ミズーリー州、ワイオミング州、アーカンソー州、カンザス州、アリゾナ州、カリフォルニア州に跨る大河ドラマであり、それは法治国家の体(てい)を成している東部と治外法権状態の西部の違いを描写しているのです。父親がワイアットに教える言葉“無法者には先手あり”にあります。人間性も人格も発展途上だったワイアットを諭す言葉“人生は失うことの連続だ”に心を打たれたのはワイアットだけではないでしょう。
躍動するバッファローの群れを勇壮に描いており、これがケビン・コスナー自身が監督・主演する「ダンス・ウイズ・ウルブス」に引き継がれました。様々な視点から描かれたアメリカの英雄をどう判断するかは、本作品の観客の目に委ねられていますが、敵対するギャングに兄弟を殺害されたワイアットが至近距離からショットガン(二連発の中折れ式)を二発発射した後にコルト・シングルアクション・バントラインスペシャルから六発全弾を打ち込むシーンにワイアットの抑えられない激情が感じられた人間描写の優れた作品でもあります。
「OK牧場の決闘」でも私刑(リンチ)のシーンが登場しますが、あちらでは私刑(リンチ)の対象は友人のドク・ホリデイになっています。しかし、本作品では、この私刑(リンチ)の対象者を別人に設定しており、それが見事なワイアット像として結実しているのです。
「荒野の決闘」から数多くのワイアット・アープが撮られてきましたが、愛しのクレメンタインを上回る“駅馬車”から降りたLADY、ジョージーの魅力に悩殺されました。…ワイアットとジョージーの墓はカリフォルニア州のコルマにあるそうです。
【ビデオ・マイコレクション】鑑賞
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