リプレイスメント・キラー (1998) »レビュー

“フークアのデビュー作”

60点 2007/10/24 by BLACK

つい最近公開されたアクション映画『ザ・シューター 極大射程』やアカデミー主演男優賞をイーサン・ホークらに受賞させた『トレーニング・デイ』の監督 アントワン・フークアのデビュー作にして、ジョン・ウーが製作総指揮を務めており、さらにチョウ・ユンファ主演という、一見超豪華な作品である。
だが実際の出来はというと、監督のデビュー作に留まる程度のもので、決して面白くないわけではないが、格別に面白いわけでもない並大抵の、ハリウッドには有り触れたアクション映画です。
ストーリーもほとんどヒネリが無く、展開も平凡に進む感じで、次のシーンが簡単に予想できる。ここはいかにもハリウッド映画らしいところです。
唯一の救いはジョン・ウー仕立ての激しく迫力のあるガンアクションと、チョウ・ユンファがそのアクションを演じているといった点です。といってもウーの描く本作の銃撃戦は“美しくない”
パッケージ裏に「映画史上最も美しい銃撃戦」とか何とか書かれているらしいですが、ご冗談にも程があります。
『男たちの挽歌』シリーズや『狼』など香港時代に築き上げてきた独自のクライムな男臭い雰囲気は皆無な上に、ただ二挺拳銃でドンパチしてるだけ、ときているので当然だとも思えますが…。
共演のミラ・ソルヴィーノは必要性が無く、ユンファだけでも十分成り立ったように感じます。
ソルヴィーノがユンファに付き合って一緒にドンパチする理由も無ければ意味も無いし、ハッキリ言ってしまえば邪魔なだけです。
まぁ、これがハリウッド映画によくある展開なんですから無理矢理にでも理解する必要がありますが、あまりにも必要の無い登場人物で、呆れてしまう限りです。

ジョン・ウー映画ではなく、あくまで「『トレーニング・デイ』のアントワン・フークアのデビュー作」として観ればそれなりに楽しめます。ですが、香港時代を知っているウーのファンが彼の独自性のあるアクションと物語を期待して観ると、肩透かしを食らうと思います。ですがウーは知らず、チョウ・ユンファのファンならとりあえず一見の価値はある作品かと思います。
当たり前ですが、フークアの作品を観始めたいのなら律儀にデビュー作の本作ではなく『トレーニング・デイ』を観るべきです。本作から観たら彼の評価に著しい悪影響が出ること間違いなしです。

 

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