細雪 (1983) »レビュー

「美人女優」は苦手ですが・・・

70点 2008/04/06 by 星空のマリオネット

美しいファーストシーン・・・

春の「細雨」に煙る京都嵐山。
水滴に彩られた桜の花びらは、色を失った空に溶け込みそうで、この上なく美しい。
ひたすら降る雨の音が辺りの静けさを引き立てます。
舞台は春の京都、嵯峨の料亭。
障子越しの薄い桜色の光に照らされ、微妙な陰影を見せる四姉妹の横顔。
演じるのは、春らしく明るい色とりどりの着物に身を包んだ四人の美人女優。
岸恵子、佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子。

本作は1983年に公開された東宝50年記念映画。原作は谷崎潤一郎の「細雪」。市川昆監督の代表作のうちの一本とも言われ、評価の高い作品です。
しかし、私は敬遠していました。
女優さんたちのキャストを見て触手が伸びなかったのです。「美人女優」と呼ばれている女優さんがどうも苦手だから・・・

横溝正史シリーズ等、市川映画に馴染みの面々、石坂浩二、岸恵子、佐久間良子に加え、東宝50年に華を添えるべく、吉永小百合や古手川祐子を新たに起用。
若干のサスペンスタッチやカット割り、さらには表面からは窺いしれない登場人物の不安定な心の奥底を巧みに描いていく手法は、横溝映画のそれを連想させもします。

また、四人の美人女優からそれぞれの女優魂を引き出していて、「競演」の効果がでているように思います。
ただ、四人が姉妹のようには最後まで見えませんでした。自己主張の強い主役級の女優さん同士では難しいのか、或いは演技力の問題なのか。

さて、季節は移り、夏・秋を経て冬へ。
ラストシーンは、一面の「細雪(ささめゆき)」・・・

四人姉妹は自らの意志でそれぞれ旅立っていきます。その前途を励ますように、また豊かで美しかった京都での良き日々を惜しむように、桜吹雪の春のシーンが甦ります。

PS
今年はろくに花見もしていませんが、この映画で花見をしたつもり。少し寂しいですね。

 

1人がこのレビューに共感したと評価しています。
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  • 自己レスです

    2008/05/16 by 星空のマリオネット

    昨日、有楽町の帝劇の前を歩いていたら、「細雪」のポスターが目に飛び込んできました。
    4人の女優さんのメンバーは結構面白そうです。

    長女に高橋恵子(映画では、岸恵子)
    次女に賀来千香子(佐久間良子)
    三女に檀れい(吉永小百合)
    四女に中越典子(古手川祐子)

    長女と次女のイメージが映画とはかなり違うような気がします。

    帝劇の6月公演です。因みに、私は「帝劇」には入ったこともありません。

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