窓からローマが見える
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美しくも醜悪
2008/04/18
by
じょりちょこ
あびる優の母親、中山喜美子のデビュー作です。
原作・監督とも池田満寿夫。
原作は大昔に読んだが、その頃はまだ学校を出たばかりで意味がよくわからなかった記憶がある。ただ、濡れ場でなくても官能的なムードがあり、「池田満寿夫チャンはやっぱり違うなあ」などと粋がったことを口にしていたように思う。恥ずかしい思い出ですね。
この映画に興味をもったきっかけも恥ずかしい。この映画のメインテーマをポール・モーリアが担当しているのですが、その曲が僕の買ったポール・モーリアの2枚組ベストに入っていたのでした。それと、親父の部屋の押入にあった週刊プレイボーイに『エーゲ海に捧ぐ』の紹介が載っていて、どうも池田満寿夫という人はエロいものを作る芸術家らしいという情報がインプットされていたのでした。
なにがきっかけで見たものか、思い出せないのですが、ともかく見ました。
リアリティあるシーンと不条理なシーンが混然一体となった不思議な映画です。僕も不条理な映画はたくさん見たのですが、この映画の不条理さはまた一種独特で、画面のトーンからすると不条理なシーンを描いてるシーンには見えないのです。まるで普通のシーンのようでありながら、登場人物の行動が明らかにおかしいのです。
主人公はすでに別居生活が長く続いている妻のことを放置して、若い娘とアバンチュールを楽しむのですが、その頃、妻は若い男に襲われていました。その男は主人公の愛人にも襲いかかるのですが、あまりストーリーのことを云々してもしかたありません。おそらく監督もストーリーには重きはおいておらず、むしろストーリーは観客を幻惑させるための道具として機能しているように思います。
その幻惑が心地よいかどうか?でこの映画の評価はわかれると思います。僕は楽しめました。けれど、冷静に評価すると、ちょっとハッタリが過ぎる気もしますね。凝りに凝った撮影・構成のわりに、残るものが少ないというか...
しかし、まったくどうしようもない作品とは到底言えず、いろいろと屈折した作品です。とりあえず映像は美しく、そして醜悪です。さすがに凡人の作品ではない、と感じます。
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