雪に願うこと (2005)
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ただひた向きに、もう一度生きようと思う
帯広のばんえい競馬場でなけなしの金をすってしまった男・矢崎学が、調教師の兄・威夫を厩舎に訪ねる。東京で成功を収めていたはずの弟の13年ぶりの帰郷。実は起業した会社が倒産に追い込まれ逃げ出してきたのだった。母に溺愛されながらその母を無視し続けてきた学の身勝手さに腹を立てつつも、威夫は行き場を失った弟に厩務員見習いの仕事を与える。やがて学はお払い箱寸前の輓馬ウンリュウに自分自身を重ねるようになるのだった。
厳寒の地で巨体から湯気を立ち上らせ、数百キロのソリを曳きながら障害を越えゴールを目指す“輓馬”。見ている方も思わず奥歯に力が入ってしまう輓馬の姿が、生きていれば歯を食いしばって闘わなくてはならないときがあることを教えてくれる。伊勢谷友介演じる主人公の矢崎学にとってそれはただ勝つためではなく、真正面から負けを認めることでもあった。人生に自分自身で片を付けるために。たとえ挫折し、どれだけ重荷を背負おうとも再び立ち上がって前進できるんだという希望を描き、05年の第18回東京国際映画祭でグランプリを含む史上初の四冠を制した秀作。兄役の佐藤浩市や小泉今日子らの好演も光り、その感動は深く心に染みる。
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