カインの末裔 (2006)
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愚かな者たちに捧げるレクイエム、そして賛歌
医療少年院を出た棟方は、川崎の工業地帯にある小さな工場・国際電子工業で、住み込みで働く事になった。新たな生活に淡い期待を寄せる棟方。しかしそこには、ハンダ付けの煙と上司の下品な笑いが満ちる職場があるだけだった。そんなある日、彼の部屋を一人の少女が訪ねてきた。少女の名はゆかり。牧村牧師の娘である彼女は、棟方を「マルテル会・準川崎福音協会」の日曜学校へと誘うのだが…。
有島武郎の同名小説に衝撃を受けた奥秀太郎監督が、設定を現代に置き換えて撮りあげたドラマ。罪深き者たちがその欲望と本能に沈み込んでいく姿を描く。川崎の灰色の空の下で生きる、怒りや孤独、残酷さを抱えた人々。彼らのどうしようもないやるせなさを時に冷酷に、時に優しく映し出す奥監督の演出の巧みさは、目を見張るものがある。主演の渡辺一志は、母殺しで服役し、出所した男・棟方を好演。その周囲を、田口トモロヲ、古田新太、内田春菊ら実力派・個性派俳優たちが固める。また牧師の娘・ゆかり役にはオーディションで発掘した楊サチエを抜擢。その天真爛漫さが救いと絶望の両方を浮かび上がらせている。
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