檸檬のころ (2007) »ストーリー



USENより


田舎町で暮らす高校生たちのキラキラした瞬間

成績優秀で、吹奏楽部で指揮者を務める加代子は高校を卒業したら東京の大学に進学したいと思っている。そんな加代子に思いを寄せる巧はなかなか気持ちを伝えられない。そんな彼に同じ野球部の富蔵が無邪気に、佐代子が好きだと告白する。次第に近づいていく加代子と富蔵の距離…。加代子のクラスメイトの恵は、将来音楽ライターになりたいと思っている。偶然掃除当番が一緒になった軽音楽部の一也と音楽談義で盛り上がり…。

原作は、若手女性作家の注目株・豊島ミホの同名小説。監督は、これが長編映画第1作となる岩田ユキ、加えて映画出演が相次ぐ“U-19”の注目女優、榮倉奈々、谷村美月を迎えて、高校生の頃の不安定に揺れ動く繊細な感情を瑞々しく映像化した。山と田んぼに囲まれた日本の“どこでもない”田舎町の(撮影は栃木県を中心に行われたようだが)、どこにでもいる高校生の普通の生活が、不思議と観る人の心に迫ってくる。初恋の切ない気持ち、友だちへのちょっとした嫉妬…、誰にでも思い当たるあの頃の感情を甦らせてくれる珠玉の青春映画だ。


 

 


ユーザーより


すべてが、きらめいていた。 誰しもが通り過ぎてきた、甘くて痛いあの時間──

「うん!屋上で見たときロックがぎゅーん!ってかかったもの。なんつーか、初めての生理がもう一回きた!みたいな感じ?カミング・スーンって感じ!」

高校3年生の白田恵はいつもヘッドホンで音楽を聴いている。休み時間はもとより時には授業中でさえも。そして感じ取ったものをノートに書き留めておくのだ。将来は音楽ライターになろうと決めていた。昼休み、恵は立ち入り禁止の屋上で大の字なって寝転んでいた。いわし雲の青空の下、音楽に身をゆだねて目をつむる・・・。ふと人の気配がして目を開けると同じようにヘッドホンをした男子が恵を見下ろしていた。同じクラスの辻本だった。

「ダイヤモンドになる前の・・・せっ、石炭っていうかさ・・・」
生物室の掃除当番で一緒になったのを機に恵は辻本と親しく話をするようになった。辻本は軽音楽部に所属していて話が合うのだった。学園祭で演奏する辻元の作った曲を部室で聞かせてもらったのだが、まだお世辞にも上手い演奏とはいえないものだった。

“大住志摩 17才 高校二年生 目指す永遠なんてどこにもない、けど/『ロケットペンシルズ』の夜明け前” 有名な音楽雑誌の読者レビュー欄を見て恵はショックを受けた。従妹で、幼馴染で、一年後輩の志摩ちゃんの文章が活字となってメジャーな雑誌に載ったのだ。恵は自分の音楽ノートと見比べて惨めな気持ちになるのだった。

「白田さん。白田さんが詞ぃ書いてよ」辻本が例の曲用の作詞を頼みに来た。志摩ちゃんに先を越されて落ち込んでいる恵には自信がなかった。「大丈夫だって、聴くほうは才能あるもん。作るんだってゼッテー良いモン書けるって」そう言われて恵は少し気力が戻るのを感じるのだった。


更新: 名画座の怪人 (2008-05-25 12:56)

 

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