パンズ・ラビリンス (2006)
»ストーリー
USENより
暗黒の世界を照らす光、それは無垢なる魂
1944年、内戦終決後のスペイン。父を亡くした少女オフェリアは、身重の母と共にゲリラが潜む山奥で暮らし始める。そこは母が再婚したフランス軍のビダル大尉の駐屯地だった。体調の思わしくない母を労りながらも、冷酷な義父にどうしても馴染めないでいた彼女の前に妖精が現れ、森の中の迷宮へと導く。そこではパン(牧神)が王女の帰還を待っていた。オフェリアは魔法の王国に戻るために3つの試練を与えられるのだった。
少女は生き延びるために迷宮の世界へ降りて行った。そうしなくてはならないほど現実の世界は残酷だったから。第79回アカデミー賞で撮影・美術・メイクアップの3部門に輝いたのをはじめ、世界各地で絶賛された本作は、『ヘルボーイ』の監督ギレルモ・デル・トロが卓越したイマジネーションと映像センスを駆使して生み出したダークでビターなファンタジーだ。恐怖で支配し、殺し合いに血道を上げる過ちを何度でも繰り返してきた人間社会の本質的な愚かさと、厳しい試練に果敢に挑むヒロインの冒険譚を見事に融合させている。オフェリアそのもののイバナ・バケロの健気さ、ビダルを演じたセルジ・ロペスの恐ろしさも絶品。
ユーザーより
だから少女は幻想の国で、 永遠の幸せを探した。
「試練を果たしておらんな」
オフィリアの寝所に現れた異形の者は迷宮の守護神“パン”と名乗った。
1944年、スペイン。
オフィリア(10)は母とともに継父ビダル大尉の差し向けた車で山岳地帯へ向かっていた。そこは武装ゲリラが抵抗を続ける土地であった。「息子は父の居る地で生まれるべきだ」と考えるビダルが臨月の妻を宿営地に呼び寄せたのだ。
「あなたはもう、こんな物を読む歳じゃないでしょう」と母はたしなめた。
その車中でオフィリアは御伽噺の本を読んでいたのだ。そこにはこんな物語が書かれていた。
---遥か昔、嘘や苦痛のない魔法の王国が地面の下にありました。
その国のお姫様は人間の世界を夢見ていました。
澄んだ青い空や、そよ風や、太陽を見たいと願っていたのです。
ある日のこと、お姫様は従者の目を盗んで逃げ出しました。
でも、地上に出た瞬間、光に目がくらみ全ての記憶を失ってしまったのです。
自分が誰で何処から来たのかも忘れ、寒さや、病や、痛みに耐えながらやがてお姫様は亡くなりました。でも、王様は信じていました。お姫様の魂がいつか必ず別の肉体に宿り、別の時代に戻ってくることを。
その日がくるまで、たとえ世界が終わろうと王様は命のあるかぎり待ち続けているのです。---
「奥は迷宮よ」
軍の宿営地に着いたオフィリアの目にはビダル大尉は冷たくて厳しい人間に映った。
宿営地の奥、森の入り口あたりに石造りのアーチ門があった。その先には細い通路が続いていた。通路の左右は石を積み上げた壁があり迷路のようになっている。
「入らないで。迷ってしまうわ」家政婦メルセデスは言った。
その夜、妖精に導かれ迷宮へ行ったオフィリアは“パン”と出遭った。
“パン”はオフィリアこそ地下の王国の姫君モアナ王女であると教えた。だが、王国へ戻るには三つの試練を満月の夜までに果たさなければならないと説明した。
オフィリアの母が破水した。フェレイロ医師により絶対安静を指示され、オフィリアは母とは別の部屋に移された。母親から離されたオフィリアの支えはメルセデスだけであった。
「ゲリラたちを助けているのね・・・あなたのことが心配だわ」
メルセデスとフェレイロ医師は密かにゲリラと通じていた。二人が内密の話をしているのをオフィリアは偶然、聞いてしまった。倉庫の物資を少しずつ届けていたのだ。
オフィリアは第二の試練をしくじってしまった。
魔物の眠る部屋には豪華絢爛な料理が並んでいた。“パン”は何一つ手をつけてはいけないと言ったが、オフィリアは葡萄の実を口にしてしまったのだ。目覚めた魔物に襲われ危機一髪の所で逃れてきたのである。試練に負けたオフィリアは王国へ戻るチャンスを失ってしまった。
眠る母のお腹に顔を寄せてオフィリアは話しかける。
「大事な弟。私の話を聞いて。外の世界は平和じゃないわ。でも、じきに生まれるのね。ママは辛そうだわ。だから生まれてくるときお願いがあるの。1つだけ。ママを苦しめないで・・・。」
更新: 名画座の怪人 (2008-07-01 21:12)


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