さびしんぼう (1985) »ストーリー


 

 


ユーザーより


「この私はね、16歳の私なの。17歳の私にはなれないの」
ピエロの扮装をした奇妙な女は“さびしんぼう”と名乗った。

冬休みも近い2学期のある日、井上ヒロキ(16)は憧れの彼女と話をするチャンスを得た。
下校の途中、自転車のチェーンが外れて難儀している橘百合子に話しかけ送っていったのだ。
百合子は隣の女子高の生徒である。ヒロキは以前からカメラの望遠レンズで百合子が音楽室でピアノを弾く様を遠くから見ていた。残念なことに位置の関係で彼女の右側しかみれない。でもファインダーを通してみるその横顔はとても魅力的だった。
その寂しげな横顔からヒロキは勝手に“さびしんぼう”と呼んでいたのだ。

ピエロ女の自称“さびしんぼう”は最近になっていきなりヒロキの部屋に現れだした。
あろうことか憧れの彼女と同じ呼び名を使っている。
そいつはときにはヒロキをからかい、ときには相談相手となる迷惑ながらいないと寂しい神出鬼没の存在だった。

期待に胸を膨らませるヒロキだが百合子の態度はよそよそしかった。
百合子はプレゼントにチョコを届けてくれたが、添えられた手紙に書かれていたのはヒロキとは付き合えない旨のメッセージだった。

翌日、ヒロキはクリスマスに渡せなかったプレゼントを百合子に届けることにした。
「あなたに好きになって頂いたのはこちらの顔でしょう」百合子は自分の右の頬を指さしていった。「どうかこっちの顔だけ見ていて。反対側の顔は見ないでください」

本物の“さびしんぼう”と別れたヒロキにはその夜もう一つの別れが待っていた。果たしてピエロの扮装をしたもう一人の“さびしんぼう”の正体とは?

更新: 名画座の怪人 (2008-08-15 18:11)

 

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