自虐の詩 (2007) »ストーリー



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そんなアンタを愛してる!悲劇のどん底ラブストーリー

ひなびたアパートに住むイサオと幸江。イサオは無口な乱暴者で、仕事もせずに酒とギャンブルに明け暮れる。内縁の妻の幸江がラーメン屋で働き生計を立てていた。少しでも気に入らないものが並ぶとちゃぶ台をひっくり返すイサオだが、幸江は彼を心から愛していた。幸江は幼い頃、母が家出し、父が銀行強盗で捕まったという過去があり、自分は不幸の星の下に生まれたのだと思い込んでいた。しかし、幸江が妊娠している事が分かり…。

連載開始以来、多くのファンに支持された業田良家のコミック、「自虐の詩」が映画に。監督は、「ケイゾク」、「トリック」の堤幸彦。酒飲みで無職のイサオと、ひたすら尽くす幸江の悲しくも愛しい愛の物語だ。無口で乱暴な、こんな男のどこを好きになったの?と思ってしまうが、後半でそれが逆転する。不幸を愛する自虐的な女を皮肉った作品ではなく、幸せとは何かと問いかける。主演は『嫌われ松子の一生』以来、薄幸のイメージがついた中谷美紀と、堤監督いわく、「日本一、ちゃぶ台返しがうまい男」の阿部寛。働かない、金はせびるのダメ男イサオだが、見れば見るほど愛おしくなってくる。これも、阿部寛の演技の妙だろう。


 

 


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伝説の4コマ漫画映画化! 笑いあり、涙ありの怒涛のエンターテインメント!

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(前略、お母ちゃん。あなたは、なぜ私を生んだのですか?そして、なぜ私を捨てたのですか?)

昭和64年1月、宮城・気仙沼。森田幸江の家は、幼い頃母親に出て行かれ今は父親との二人暮らしだった。その家計は苦しく中学生の幸江は新聞配達のバイトをしている。配達を終え余った朝刊の3面記事を見て驚いた。“気仙沼で銀行強盗”と書かれた見出しの下には防犯カメラに写った犯人の写真が載っていた。一応サングラスをしているもののその顔は紛れも無く・・・「お父さん!?」

(お母ちゃん。私は幸せになりたい。本当にささやかな幸せでいい。)

それから19年後の平成20年、大阪・飛田。幸江はうらぶれたアパートの一室に住んでいた。
「幸江ちゃん、これ取っといて。少ないけど臨時ボーナス」幸江の勤めるラーメン店“あさひ屋”のマスターは幸江に惚れていて何かと気遣ってくれる。しかし、幸江には内縁の夫がいるのだった。葉山イサオは見るからにヤクザ風の男でいつも賭け事ばかりしている。少しでも気に入らない事があると卓袱台をひっくり返して暴れるのだ。傍からすれば幸江にたかるヒモでしかない。だが、ささやかな幸せを求める幸江はそれでも甲斐甲斐しくイサオに尽くし続けるのだった。

(お母ちゃん。幸せとは一体どういうものでしょうか?そして、それはこの世のどこかに必ずあるものでしょうか?)

「どや、わしの世話にならへんか?」
イサオは地元のヤクザの組長に呼び出された。数日前、組員の若い者をボコにして金を巻き上げたことがあったのだ。もちろん、その金は使い果たしてしまった。
「お前はなぁ、この世界で生きる男や・・・惚れた女のためとは言え、堅気の暮らしはお前には合わへん」

「ユキエちゃん?・・・幸江!」
幸江が“あさひ屋”に出勤するとそこには父の家康が来ていた。昨日、刑期を終え出所してたずねてきたのだ。「とにかく家には来ねえで、あの人だっているから」「イサオとかいう野郎か?」その名が出たとたん幸江の表情に幸せそうな笑みが宿る。「どうせ、大したことねえヤツだべ。オメェばっかり働かせてンだもん」

(お母ちゃん。私は本当にこの子を生んでいいのでしょうが?)

「おめでとうございます。3ヶ月ですよ」
幸江は出前の最中に吐き気をもよおした。病院で検査した結果、妊娠していることが分かった。「鼻の横にホクロありますね。お母さんと同じですね」担当の女医が言った。

イサオは妊娠を告げられても何も答えなかった。押し黙ったまま「生め」とも「生むな」とも言わないのだ。
「少しは何とか言ってよ・・・アンタの子供よ」
台所で夕食を作りながら幸江が訊いた。ふと、葱をきざむ手が止まる。ガスレンジにかけた鍋には味噌汁が出来かかっていた。
「何も言ってくれないなら・・・、」鍋の中に葱を入れて蓋をした。
「別れる・・・。」ガスの青い火が静かな音をたてて燃え続けていた。


更新: 名画座の怪人 (2008-06-22 21:24)

 

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