この道は母へとつづく (2005)
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ママに会いたい、その一心で少年は歩き出す
ロシアの片田舎にある孤児院では、裕福なイタリア人夫婦に引き取られることが最上の幸せであり、誰もが選ばれる日を夢見ていた。ある日、ようやく6歳のワーニャにそのチャンスが巡ってくる。ところが、自分がイタリアへ去ったたあと、もしほんとうのママが会いに来たらどうなるのだろうと不安が芽生えたワーニャは、まず、年長の少女に字を習い、こっそり出生記録を調べ、実の母を探すため一人孤児院を脱走する。
子どもは大人のように絶望したりしない。生きるのに必死でそんな暇はないのだ。貧困ゆえに道義心も枯れ果てた孤児院長や、抜け目なく金儲けに徹する養子縁組みの仲介業者らをよそに、子どもたちは大人を当てにせずに生きてゆく知恵を身につけ、図太くたくましい。主人公の愛くるしいワーニャにしても、哀れを誘う不幸な少年というわけではない。一念岩をも通すガッツで危機また危機の連続を乗り越え、奇跡を呼び寄せるのだ。実話をもとにした本作で、ささやかな希望がもたらす幸せの可能性を示したのは、ロシアの新鋭監督アンドレイ・クラフチューク。05年のベルリン国際映画祭少年映画部門グランプリに輝いている。
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