ノー・マンズ・ランド (2001)
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カンヌ国際映画祭脚本賞受賞!笑いと絶望を見事なまでに合体させた痛烈な社会派ドラマ
ボスニアとセルビアの激しい戦いが続くボスニア紛争の最前線。仲間のところへ向かうはずだったボスニア軍の兵士一行は霧で敵地に迷い込んでしまい、セルビア軍から攻撃を受ける。唯一の生存者らしきチキ(ブランコ・ジュリッチ)はなんとか塹壕に辿り着くが、そこはボスニアとセルビアの中間地帯「ノー・マンズ・ランド」だった。そこへ2人のセビリア兵が現れ、ボスニア兵の死体の下に地雷を仕掛けるが、チキと銃撃戦になり、セビリアの新兵ニノ(レネ・ビトラヤツ)だけが生き残る。さらに死んだと思われていたボスニア兵のツェラ(フィリプ・ショヴァゴヴィッチ)が息を吹き返すが、地雷のせいで身動きがとれない。緊迫した状況の中、3人は立ち往生してしまう…。
今年のカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞し、その他、多くの映画祭で称賛を浴びている話題の本作。監督はこれが長編映画デビューとなる32歳のダニス・タノヴィッチ。ボスニア・ヘルツェゴヴィナに生まれた彼は、カメラを持ち、ボスニア紛争の最前線を映像を撮り続けてきたという。だからこそ自らの体験から、戦争という生と死の極限状態での人間の心理を理解し、そして戦争への痛烈な批判をシュールに映画化できたといえる。
そして驚くべき点は、通常、戦争を描いた作品となるとシリアスな社会派ドラマとなるものだが、本作では、ところどころで笑いがこぼれ、実際の紛争を捉えた映像を挿入することで事実に触れ、そして人間達の愚かさに胸が痛くなるという流れを持った展開で、観客を物語りに引き込んでいく。それは見る者に強烈な印象を残すほどのパワーをもった監督からの熱いメッセージに思える。ある時は滑稽で、ある時は野蛮で、ある時は愚かな人間達。でも何よりも悲しいのは「同じ人間同士が何故、殺し合うのか?」ということ。監督が伝えたいことは絶対的な戦争反対なのだ。今のこの社会情勢だからこそ、得にこの映画を見て大切なことは何なのか考えて欲しい。
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