眠り姫 (2007)
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おぼろな不安と孤独を彫り出す、美しくて奇妙な映像詩
中学校で非常勤講師をする青地は、いくら寝ても寝足りない日々を送っていた。学校へ行くのも億劫で、同僚教師の野口には「青地さんの顔がだんだん膨らんでいる」と笑われる。高校生の頃から付き合っている彼氏に対する感情も希薄になっていて、上滑りする会話とセックスが繰り返されていた。そんな中、青地の心には徐々に現実への違和感が芽生え始め…。
作家・内田百聞が芥川龍之介の死をモチーフに書いた短編小説「山高帽子」。それを原典とする山本直樹の漫画を原作に作られたのが本作『眠り姫』だ。そこで見せられるほとんどの映像には、人間が全く映っていない。登場人物たちもほぼ声のみでしか、その存在を把握できない。しかし声や衣擦れの音など、人間の気配は濃厚に伝わってくる。そんな映像と受ける印象のギャップが、人の孤独や不安を浮き上がらせていく。監督を務めたのは七里圭。かつてイベント用の中編だった作品を、一年以上かけて長編映画へと再構築した。つぐみ、西島秀俊、山本浩司ら実力派の俳優たちが、声のみの演技で、作品に浮遊する感情に流れを作り出している。
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