グミ・チョコレート・パイン (2007)
»ストーリー
USENより
俺たちにも何かが出来るはず!
高校2年生の賢三は、アンダーグラウンドなロックが好きな音楽少年。他のクラスメートを低俗な奴らと嘲り、「オレはアイツらとは違う」と思いながら、何をしていいか分からず、毎夜、親友二人と酒を飲んでは悶々と過ごしていた。ある日、薄暗い名画座で同じクラスの美甘子と会う。秘かに彼女に憧れていた賢三は、美甘子が自分と同じ側の人間であることを知る。自分の中で何かが変わった賢三は、親友二人とバンドを組むことに…。
大槻ケンヂ原作の同名の小説を、ケラリーノ・サンドロヴィッチが映画化。アングラなロックと映画に傾倒することをアイデンティティとしている少年たちの、恋とバンドに試行錯誤する青春ストーリー。映画、音楽ファンなら主人公と同じ気持ちが分け合える人が多いのでは?特に、80年代に青春時代を過ごし「自分は人とは違う」と息巻いたのに、平凡な人間に落ち着いてしまったと思っている人なら、心に熱いものを感じるだろう。主演は石田卓也、黒川芽衣、柄本佑ら。柄本佑のオタク少年ぶりは見事。地味だかその他、高橋ひとみ、山崎一、犬山イヌコ、竹中直人ら一癖もふた癖もある俳優が脇を固め、若手実力派を囲んで楽しそうに毒を吐いている。
ユーザーより
ノイズまじりの、純愛。
「私ね、人生はグミ・チョコレート・パインだと思うんだ」
2007年。大橋賢三(38)は会社を首になって、数年ぶりに東京のはずれにある実家に戻ってきた。不在の間に届いた郵便物の中にその手紙はあった。差出人は山口美甘子。賢三が高校時代に憧れていたクラスメイトである。中の便箋には“あなたのせいなのだから”とのみ記されていた。美甘子とはもう21年も会っていない。賢三はまだ知らなかったが美甘子は既にこの世の人ではない。“女優・山口美甘子”は昨年自殺していたのである。
「ケンゾー。また昼飯代わりに水か?」
1986年。賢三は高校2年生だった。趣味の映画代を捻出するため昼飯は抜き。空腹は水道の水をがぶ飲みして紛らわしている。私立黒所高校で賢三と話が合うのは川本良也(カワボン)と小久保多久夫(タクオ)の二人だけ。三人はタクオの両親の経営するコクボ電気店の2階をたまり場にしていた。映画部と称して夜な夜な集まっては酒を飲んで、アンダーグラウンドなロックを聴く。そして自分たちが他の奴らとは違うことを確認しあうのだった。
「デ・パルマはカメラワークが凄いよね」「“殺しのドレス”観た?」「観た。観たけどカメラがちょっとでしゃばり過ぎかも」「わかる。わかる。ロメロは好き?」
ある日、賢三は行きつけの名画座で美甘子に出合った。美甘子もまた映画ファンだったのだ。賢三の目から見た美甘子は、背が低くて胸が大きくて顔は小っちゃくて、びっくりした目をして笑うと目がなくなちゃって、頭が良くて話が面白くて話がスゲェ面白くて、議論をするといつも負かされてしまう・・・そんな娘だった。
「おっ俺の名前はカッ・カッ・・・カッターボーイ!」
アングラなノイズバンド“自分BOX”に触発された賢三らは自分たちでバンドを組むことにした。そこでメンバーを募集したのだが応募してきたのは賢三と同じ組の山之上だった。
いつも一人でいて何かブツブツ呟いているチョッとアブナイ感じの奴だった。最初は躊躇した三人だが山之上のギターを聴いて呆然となった。こいつのテクはプロ並だったのだ。四人はノイズバンド“饅輝大尉未殉死(キャプテン・マンテル・ノー・リターン)”を結成した。
「大橋クンはさぁ、人生は何だと思う?」
賢三は美甘子に付きそって映画館のオールナイト上映に出向いた。デート気分で有頂天の賢三だったが、なんとホールから煙が!スクリーンが燃えたのである。映画館から避難した二人は公園のベンチに座って話していた。まだ夜明け前だった。
「ジャン・ケン・ポンで勝ったり負けたりしている内に、どんどん遠くに行っちゃう人と全然前に進めない人と差はどんどん開いていくの。そう考えるとなんか焦らない?
自分は映画観て本読んで心の中で周りの人間バカにして。一歩も前に進めてないのにさ・・・。」
それは賢三が日ごろ感じているのと同じ感覚だった。賢三はバンドを組んだことを美甘子に伝えた。「何もしないよりかはマシかなって思ってさ」だが、肝心のライブのチケットは渡しそびれてしまった。
「大橋クンさぁ、どうして私を追っかけてきたの?」
賢三が午前の授業をサボって午後から登校すると、最近学校を休みがちだった美甘子が一週間ぶりに登校していた。美甘子は校長室に呼ばれて行った。雑誌“スコラ”のグラビアに美甘子のヌードが掲載されたのだ。美甘子はそのまま退学になってしまい・・・。
更新: 名画座の怪人 (2008-10-08 22:05)








