アドリブ・ナイト (2006)
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新しい自分に出会えたひと晩の出来ごと
土曜日の繁華街。携帯電話を手に誰かを待っている女性に、二人連れの若者が声をかける。「君、ミョンウンだろ?」。しつこく昔の思い出を語りかける男に、「人違いです!」と彼女は言い放つも、「人違いのフリしてるんじゃないか?」と。ついには、父親が末期ガンで死にそうだから、人違いでもいいから身代りになって会ってほしいと言い出す始末。同情を覚えた女性は根負けして、ミョンウンの家族が住む郊外に向かうことになった。
長編映画デビュー作『チャーミング・ガール』が世界中の映画祭で絶賛され、“第二のキム・ギドク”との称号で呼ばれる俊英イ・ジュンギ監督の3作目。ある家出娘の“身代わり”としての役目を担うことになった女性の目を通して、人間の可笑しさと哀しさを、そして都会に生きる女性の孤独を浮き彫りにした味わい深い作品だ。主人公を演じたハン・ヒョジュの存在感は特筆もの。描かれるのはたったひと晩の出来事ながら、ラストでヒロインの本当の姿が明らかになったとき、彼女がそうであるように観ている側も何か大切なものの存在を気付くに違いない。
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