うつつ (2001)
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平凡な生活に突如現れた謎の女…。不確かな現実と妄想が錯綜するサスペンス
結婚して7年、互いのすべてを解りあった妻と何の不満もなく暮らしていた池島(佐藤浩市)は、ある雨の夜、突然現れた女・幾子(宮沢りえ)に「あなたの奥さんは私の夫と浮気しています」と告げられる。ばかげた話、と思いながらも次第に心は惑わされ、「私たちも彼らと同じことを…」と誘う幾子の言葉に落ちてゆく。それ以来、妻の行動の何もかもが信じられなくなった池島は、幾子との関係に溺れ、すべてが疑惑に包まれた恐ろしい現実へとはまりこんでいく…。
絶対的だと思われた信頼関係が、たった一行の言葉で見事に崩れおちていく。もしかしたら、信頼関係が強ければ強いほど、相手を知り尽くしていると思えば思うほど、疑惑はあっけなく湧くのかもしれない。『うつつ』は、そんな人間心理の溝に、スッと入り込んでくるようなサイコ・ドラマだ。物語は結婚記念日を祝う池島と妻の久美子の食卓シーンから始まるが、幸せなはずの冒頭シーンから、不気味な湿り気が漂っている。
雨の中、端正な和服姿で傘を差し出す宮沢りえの、冷たく見据えた魅惑的な瞳がその不気味さをさらに増長させ、観るものをたまらなく不安にさせる。ミステリーに定評の高い連城三紀彦の原作を、当摩監督がさらに捻り加えたエンターテイメント作品だ。
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