クロエ (2001)
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人生に求める幸福のかたちをファンタジックに問いかけた、切ない愛のストーリー
プラネタリウムで働く平凡な青年・高太郎(永瀬正敏)は、偶然出会ったクロエ(ともさかりえ)と恋に落ち結婚する。親友の英助(塚本晋也)や日出美(松田美由紀)にも祝福され、幸せをかみしめていたある日、クロエは突然意識を失い病院で検査を受ける。クロエの肺には、花の蕾らしき影が現れていた。手術後も蕾は再び芽吹きクロエの体を蝕んでいく。そんな時、花がクロエの蕾の成長を止めることを発見し、絶やさず花を飾るようになるが、すでに高太郎の貯金は底をつき始めていた。
胸に咲いた花が命を奪っていく、このファンタジックで悲しい物語は、フランスの作家・ボリス・ヴィアンの恋愛小説からイメージを得て作られた。美しいことが人生でもっとも大切だ、と謳ったヴィアンの小説は、限りなく純粋で悲痛だ。映画のなかで、クロエは美しいものの象徴で、人生の醜いものをすべて請け負って消えていく。私たちは高太郎のようにクロエを愛し、英助と日出美のようにうまく行かない現実にぶつかって行く。
欺瞞に満ちた社会のなか、私たちが人生に求める「幸せ」と「美しさ」が誠実に語られている。胸に咲いた蓮の蕾がふくらむにつれ、クロエの部屋がどんどん縮まる視覚のイメージや、七色に輝いて差し込む光が暖かな映像を生み出して印象的だ。
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