海辺の家 (2001) »ストーリー

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父と子の再生と交流に胸が震えるほどの感動を覚える愛情物語

建設デザイナーのジョージ・モンロー(ケビン・クライン)は妻(クリスティン・スコット=トーマス)と別れて以来、たった独りで昔から住んでいるボロ家で暮らしていた。しかし自分が癌に侵され、余命幾ばくもないことを知り、昔から夢だった家を立て直すことを決意する。元妻との間にもうけた16歳の息子サム(ヘイデン・クリステンセン)は、元妻と彼女の再婚相手の家で暮らしているが反抗期の真只中で手に負えない。そんなサムを夏休みの間預かり、一緒に家を立てようと試みるジョージ。しかし、彼の体を癌が着々と蝕んでいくのだった…。

命の宣告を受けた孤独な男が人生を悔い、残り少ない人生を幸せなものにする為に、家を立て直すことで家族と真の交流を図るというドラマ。物語の冒頭、海辺のボロ家に住むジョージは配水管が壊れたという理由で、朝起きた早々、近所の目なんてお構いなしで、海に向かって気持ち良さそうに立ち小便をする。また彼はCGが発達したこの時代にコンピューターを使わず、今だ手作りで家の模型を作っている。しかし、上司と上手く付き合えず、会社を首になってしまう。このことから想像するに、きっと彼は今まで自分らしく生きることをモットーにしていて、人との交流が苦手だったのだろう。だからこそ妻にも逃げられ、子供ともこの歳になるまで面と向かって話し合っていなかったのかもしれない。しかし、癌に侵され余命短いことを知った彼は、改めて自分の人生を悔い、せめて子供に何か残してやりたいと考え、家を立て直すことを思いつく。それはある意味、自分の人生の立て直しでもある。

この物語でキーとなるのは、人と人との温もり。「ハグ」=抱き締めるという行為の重大な意味。それは言葉よりも深い愛情表現であり、暖かい温もりで心も暖かくする。こんな些細なこと一つ一つに気付かせてくれる素敵なドラマが本作『海辺の家』だ。わざとらしい演技なんてまったくない。主人公を演じたケビン・クラインは『ワンダとダイヤと優しい奴ら』でアカデミー助演男優賞を受賞した経験もあるコメディお得意の役者だが、本作ではシリアスな演技を披露し、哀愁の中に優しさを持ち合わせた父親を力強く演じている。また息子役には『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』でアナキン・スカイウォーカー役に抜擢されたヘイデン・クリステンセンが扮し、繊細な反抗期の少年を見事に演じている。素晴らしい俳優陣の演技と美しいストーリー、海の持つ様々な表情を堪能できる極上のドラマだ。


 

 


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