チルソクの夏 (2003) »ストーリー



USENより


あの夏の、出会い、初恋、友情、そして別れ

1977年、下関市。姉妹都市釜山との親善事業として、毎年夏に開催される関釜陸上競技大会に出場した陸上部員郁子は、同じ高跳び競技の韓国人の男の子、安大豪(アンテイホウ)に出会う。戒厳令中の釜山の夜に宿舎まで会いに来た安に郁子は淡い恋心を抱く。来年の夏の再会を約束する2人。それはまさに七夕(韓国語でチルソク)の逢瀬。安の母親、郁子の父親、それぞれの葛藤の中で、郁子の切ない初恋をなんとか実らせようと奔走する、同じ陸上部の真理、巴、玲子の3人だった…。

4人の現役女子高生が当時の女子高生を等身大に競演。26年前の女子高生という役柄と実生活での想いがシンクロして、一生懸命な姿から溢れる躍動感、ピュアで切ない懐かしさがまっすぐに伝わってくる。また、下関出身の演歌歌手山本譲二が映画初出演し、主人公の父親役を好演。監督は、高倉健主演映画『鉄道員(ぽっぽや)』『ホタル』等多数のチーフ助監督を経て、『陽はまた昇る』で初監督にしてメジャーデビューを果たした佐々部清監督。

監督自身、下関が生まれ故郷ということもある。一人一人の人物の内面を描き、骨太のドラマを作り上げることのできる日本映画界に久々に現れた、今、最も注目される監督が、70年代という時代がもっているエネルギーを丹念に描き、今に伝える。(プレスより抜粋)


 

 


ユーザーより


ブチ 会いたい。 遠い昔、メールや携帯なんかなかった時代。私たちは彼と、一年に一度必ず再会すると約束した。

「チルソク……七夕のことチルソクって言うんだ」

1977年7月、韓国釜山で下関との陸上親善競技会が開催された。
遠藤郁子たち長府女子高校陸上部の代表選手もフェリーで釜山へやって来た。郁子は走り高跳び、杉山真理は800m走、藤村巴は走り幅跳び、木川玲子はやり投げ。競技会は順調に進行していたが真理が出場した800m走でアクシデントが起こった。ゴール前でトップを争っていた真理と釜山の選手の足が接触し釜山の選手が転倒したのだ。転倒した選手が「わざとやった」と真理に詰め寄ったことから他の選手たちが入り乱れての乱闘騒ぎに発展しかけたのである。そのとき「パン!」スタート用ピストルを鳴らして騒ぎを収めたのが安大豪(アン・テイホウ)だった。

「ダイジョウブ?」フィールドに戻る郁子に大豪は声をかけてきた。片足を上げて走り高跳びの仕草をして「ファイブセンチメートル、バック。OK?」と繰り返して微笑んだ。

郁子はいつもより5cm下がった位置から助走を始めてみた。165cmのバーを背面とびでクリアーした。顔を上げた郁子の視線の先に大豪の笑顔があった。「女子走り高跳びに大会新記録が出ました」とアナウンスが流れた。

「イクコト オハナシ シタカッタ」
その晩、大豪は宿泊所にこっそり訪ねてきた。韓国は戒厳令が敷かれていて、夜間勝手に出歩くのは禁止されている。大豪は木によじ登り郁子はベランダの柵越しでの逢瀬となった。「ネクストイヤー、ワンモアタイム、アイ、ミート、ユー」大豪が真剣な表情で言った。来年の親善競技会は下関で開催される番である。郁子も頷いて「アイ、プロミス、ユー」と返答した。丁度その日は7月7日、七夕の夜であった。



更新: 名画座の怪人 (2008-05-19 11:49)

 

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