ベッカムに恋して
(2002)
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涙と笑いに満ちた少女の青春を躍動感あふれるサントラで盛り上げる爽快さが最高!!
2003/04/20 (日) written by フォルティ大滝(映画ライター)
イギリス発のパワフル&ラブリー・ムービー!!夢をボールにのせて蹴り上げろ!!
この女の子ウケしそうなタイトルからは想像もつかないほどのパワフルな情熱と、民族・人種間の考え方の違いを考えさせられるテーマを持った、主張のある映画だと思う。選手としても男性としても理想的なベッカムに、主人公ジェスが憧れるのは無理もない。が、同時にベッカムはこの映画の重要な要素であり、象徴でもあるのだ。物語は、基本的にサッカーそのものは脚本の上では筋の大枠を構成する程度。重点は家族愛や民族間の文化的相違といった人間ドラマに焦点が割り合い裂かれているように感じた。
主人公のジェスは、サッカーとベッカムを愛するインド系イギリス人の純な女の子だ。ある時地元の女子サッカー・チームのエース、ジュールズの目に止まり、本格的なサッカーへと足を踏み入れる。ところが、ジェスの母親は典型的なインドの伝統を重んじるタイプ。その上ジェスの姉は結婚目前でサッカーなど言語道断というわけだ。一方で、女子チームはドイツ遠征の活躍もあって決勝戦へ。アメリカのスカウトマンも当然観にくる。しかし、その日は姉の結婚式当日。こうして、家族のしがらみと自分の夢への板ばさみになったジェスの心の葛藤を涙と笑いで描いていく。
一番気になったのは、なんといっても映画を彩る音楽が秀逸。サッカーそのものと成長期の躍動感を象徴したかのようなエッジの効いたナンバーが効果的に全編に挿入されている。思わず体が動き出しそうになってしまいそうにる。そして、スピード感溢れるカメラアングルとストーリー展開。蹴ったボールをロー・アングルで追跡するシーンは、ウェゴという機械を使用しているらしい。実際に特訓を受けて撮影に臨んだ女優たちが、芝生の香りのするシーンにしっかりと収まり、CGにはない見事なリアリズムを見せ付けてくれる。一方で、家族同士の歩み寄りの大切さというテーマもしっかりと加えられていく。それら全ての映画的エッセンスが見事に絡み合い、大きな感動を呼ぶ。
主人公ジェスを演じるパーミンダ・ナーグラは、出演をするためにサッカー経験があるとウソをついたらしい。本編さながらにして夢を手に入れたというわけだ。そんな彼女の意気込みが、この役に命を与えた。そして、ジュールズ役のキーラ・ナイトレイもボーイッシュだけど、どこか可愛らしい女性を好演。その他、ジェスの父親のアヌパム・カー、ジェスの姉、アーチー・パンジャビ、コーチ役のジョナサン・リース・マイヤーズ等を始め個性的な俳優達が総出で脇を固める。中でもジュールズの母親を演じるジュリエット・スティーヴンソンのオトボケ振りが楽しい。典型的な保守的イギリス人の母親をコミカルに演じ、場内の爆笑を誘っている。
監督・製作・共同脚本のグリンダ・チャーダは、国中をあげて熱狂しているサッカーそのものに先ず興味を持ったそうだ。サッカーの持つエネルギッシュな魅力が、彼女の作家魂に火をつけたに違いない。また、本作では人種の壁という真摯なテーマを扱いながらも、女性監督らしい優しい解釈に基づく演出と、時にダイナミックなカメラワークで観る者をアッと言わせることも忘れない。本当に楽しい映画を作ってくれた。あのブレア英国首相に”この作品を誇りに思っている。”と言わしめた本作品。涙と笑いで包まれた、心温まる112分をノンストップで最後まで楽しめること請け合いのイギリス発のエンターテインメント・ムービーである。
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- 当選者数
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- 試写日
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